(2024.12.17 Vatican News Devin Watkins)
教皇フランシスコは17日の正午の祈りで、イスラエル軍によるガザ地区のカトリック教会関連施設への攻撃、2人のキリスト教の女性を殺害、修道院を破壊を強く非難、聖地を破壊する戦争を即時終わらせるよう訴えられた。
教皇は、「ガザから、とてもつらいニュースが入り続けています。非武装の民間人が爆撃と銃撃の標的になっているのです」とされたうえで、同地区唯一のカトリック教会と関連の施設がイスラエル軍によって攻撃され、「ナヒダ・カリル・アントン夫人と娘のサマール・カマル・アントンさんが殺され、他の人たちも負傷しています」と語られた。
そして、「これはテロです。 戦争です。 それはテロです… 聖書は「(主は)地の果てまで、戦いを止めさせ、弓を砕き、槍を折り、戦車を焼き払われる」(詩編46章10節)と欠いているではありませんか」と訴えられた。
教皇はまた、戦争のために苦しんでいる世界中のさまざまな地域の人々を思い起され、「戦争に苦しんでいる兄弟姉妹、ウクライナ、パレスチナとイスラエル、そして他の紛争地帯にいる兄弟姉妹を忘れないでください」と信者たちに求められ、 「クリスマスを迎えようとしている今、平和の道を開く意思を改めて強めましょう」と呼び掛けられた。
*カトリック教区に対するイスラエル軍の攻撃
16日、イスラエル軍はガザの唯一のカトリック教区一帯に攻撃を行った。エルサレムのラテン典礼カトリック教区は声明を発表し、イスラエル軍の戦車が、神の愛の宣教者会の修道院を攻撃し、発電機を破壊し、大規模な火災を発生させた。伝えられるところによると、さらに二発のロケット攻撃があり、マザーテレサの姉妹会が運営していた54人収容の身障者施設が破壊され、居住不能になった。
*キリスト教徒の女性2人も殺害された
さらに16日の午後、イスラエルの狙撃兵が、教会の関連施設に避難していたキリスト教徒の女性を射殺した。年配のナヒダ・ハリル・アントン夫人(写真左)と娘のサマー・カマル・アントンさん(同右)は、教会の建物を出て、マザーテレサ姉妹会の修道院に向かう途中だった、という。教区の声明は「一人が、もう1人を安全な場所に連れて行こうとして殺されました」としている。
伝えられるところによると、狙撃兵は、安全のために教会の関連施設の中に瀕難する人々を助けようとした2人を射殺し、さらに7人を負傷させた、という。声明は「イスラエル兵は、射撃の前に、彼らに警告はしなかった。彼らは、武装した者などいないカトリックの教区の敷地の中で、冷酷にも打たれたのです」と強く非難している。