(2024.9.17 Vatican News Francesca Merlo)
教皇フランシスコ17日、11月24日の第39回ワールドユースデー(WYD)に向けて、預言者イザヤの言葉をもとにした「主に望みを置く者は、走っても疲れない」をテーマとするメッセージを発表され、全世界の若者たちに「希望と忍耐をもって人生の課題に立ち向かうように」と励まされた。
メッセージで教皇は、若者たちに人生を「巡礼、つまり疲労も伴う幸福の探求」とみなすよう促され、「まさにこの旅においてこそ、希望が最も輝くはずです」と語られた。
若者たちが直面している数々の困難を踏まえ、教皇は忍耐と共に希望を持つよう若者たちに求め、「希望は、単に受動的な感情ではなく、能動的な力であり、神自身から受けた賜物。前進することを可能にするものなのです」と説かれた。
そして、人生には苦難があり、疲労もあるが、「疲労は、意味のある旅に出るすべての人に共通しているもの。解決策は、休息することではなく、『希望の巡礼者』になることです」と強調。
教皇は、「動く意欲もなく、立ち止まっている」ことに警鐘を鳴らされ、「無関心が、しばしば心を麻痺させるような無力感につながることがあります」とされたうえで、「私は、前進する人々が覚える疲労感を好みます。立ち止まっている人々の倦怠感は好みません」語られた。
また教皇は、若者たちの旅について、イスラエルの民が砂漠を旅した聖書の物語を引用され、「危機と絶望の瞬間でさえ、神は民を見捨てない。愛情深い父のように、神は砂漠のイスラエルの民にマナを与えたように、いつもそばにいて民を養ってくださるのです」と説かれ、「ミサ聖祭は”天国へのハイウェイ”です。その秘跡の深遠な賜物を再発見するように」と促された。
カトリック教会は来年2025年に聖年を迎えるが、教皇は、「若者の皆さんにとって、神との関係を深め、神の慈悲と愛を体験する機会… 単なる”観光客”としてではなく、真の”巡礼者”として旅をするように」と願われ、加えて、聖年の旅は物理的な旅であるだけでなく、心の旅でもあることを指摘された。
メッセージの最後に、教皇は、若者たちに「勇気を出してください」と改めて呼びかけられ、若者たちのために主に祈りを捧げると約束され、旅を聖母マリアに託し、「マリアの模範に倣うことで、皆さんは、希望と愛の巡礼者として旅を続けることができるのです」と結論付けられた。
*ワールドユースデー(WYD)は、国連が1985年を「国際青年年」と定めたことを受け、教皇ヨハネ・パウロ二世が、前年1984年「あがないの特別聖年」の閉会ミサで、青年たちにローマへ集うように呼びかけたことに始まる。その後、毎年行われるようになり、世界大会もおおむね2~3年ごとに開催かれるようになっている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)