教皇フランシスコは28日、教皇庁立聖アンセルモ典礼学研究所で行われた「司教の典礼責任者の育成」を目的とした国際セミナーの参加者らにメッセージをおくられ、「典礼は、常に(現地の)文化の中に受肉されなければならず、また、神の民の生活に触れ、その民に真の霊的性格を啓示するものでなくてはなりません」と説かれた。
教皇は、セミナーの参加者たちとの会見を予定されていたが、入院・治療中のため、挨拶文をメッセージの形で主催者に託された。
メッセージで教皇は、また、「神の民の苦しみや夢や心配を無視せず、無用な豪華さや、自分が主役になろうとする姿勢を避け、イエスに従う者としての姿を表わす典礼スタイルを推進するように」と促された。
そして、「世界のそれぞれの教区が、司教とそのカテドラルを典礼において倣うべきモデルとして見つめなければなりません」とされたうえで、典礼責任者の「共同体の祈りの奉仕のために置かれた教え手」としての役割を強調。典礼責任者の役割を「すべての儀式を賢明さをもって、会衆の善のために準備すること」とされ、「典礼書の中で表現される神学的本質が儀式の実践の中に反映されるように」と願われた。
教皇はまた、「典礼を重んじることは、祈りを重んじること。それはすなわち、主との出会いを重んじることにほかなりません」と指摘。典礼に配慮する人々が「常に神の民を思い」、「叡智と愛ある礼拝」においてその民に寄り添うことを希望された。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)