☩「誰にも、他者の尊厳を侵害する権利はない」ー欧州安全保障協力機構主催の「薬物・組織犯罪と闘う会議」参加者たちに

Pope Leo greets participants in the OSCE-organized conferencePope Leo greets participants in the OSCE-organized conference  (@Vatican Media)
(2026.5.15  Vatican NewsBy Devin Watkins

 教皇レオ14世は15日、欧州安全保障協力機構(OSCE)主催の「薬物および組織犯罪との闘いに関する第2回議員間会議」会議の参加者たちと会見され、「法の支配、犯罪防止、そして違法薬物の惨禍に苦しむ人々への社会的支援の重要性」を強調された。 OSCEは、欧州、北米、中央アジアの57か国が加盟する世界最大の地域安全保障機関。

 教皇は挨拶で、「この会議への参加は、違法薬物の惨禍と私たちの社会の未来そのものを脅かす犯罪ネットワークとの闘いの重要性を浮き彫りにしています」と前置きして、「法の支配、犯罪予防、刑事司法が一体となって機能しなければならない、とバチカンは確信しています。これらの要素は、人間の全人的な発展に欠かすことができません」と言明。

 そして、「個人の恣意的な意志ではなく、法が主権を保たなければ、真に公正な社会は存続することができない。いかなる個人や集団も、権力や地位にかかわらず、他者やその共同体の尊厳や権利を侵害する権利を主張してはならない」とされたうえで、「法執行機関と社会全体は、普遍的な人権を尊重しつつ、犯罪行為の防止に努めねばなりません」と訴えられた。

 教皇はさらに、「真の正義は、単なる処罰だけでは満たされない。なぜなら、犯罪者を社会に再統合するためには、正義には忍耐と慈悲が必要だからです」とされ、「犯罪を犯した者を含むすべての人間に固有の尊厳に対する同等の尊重は、死刑、拷問、およびあらゆる形態の残虐または品位を傷つける刑罰の使用を排除します」と語られた。

 また教皇は、「依存症に陥った人々を支援するための包括的なプログラムが必要です。それには、医療的治療、心理的支援、そして社会復帰支援が含まれます。純粋に抑圧的な措置も、無制限な解決策も避け、多角的なアプローチを採用することで、元依存症者は神から与えられた尊厳を再発見することを学べるでしょう」と指摘。

 そして、「教育こそが、薬物依存症を予防する鍵。教育は、子供たちに薬物の壊滅的な影響を認識させる助けになります」とされ、「ソーシャルメディアがこうしたリスクを軽視するような危険な誤情報を頻繁に拡散している今、教育は家庭内で始まり、学校で強化されなければなりません。そして、麻薬が脳、身体、個人の行動、そして共同体の公益に及ぼす破滅的な影響について、正確な科学的知識を伝える必要があります」と強調。関連して、「組織犯罪の防止と撲滅は、安全で公正かつ安定した社会を築く上で欠かせません」とも述べられた。

 挨拶の最後に教皇は、法執行官や裁判官の働きを称え、職務のために命を捧げたり、負傷したりした人々を偲ばれたうえで、「市民社会と協力し、依存症に苦しむ人々を支援するために、カトリック教会および世界中に広がるその多くの機関は尽力します。そして、互いの尊重と責任を分かち合う精神のもと、私たちは、真に公益とすべての人間の不可侵の尊厳に奉仕する政策を共に推進することができます」と強調された。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2026年5月15日