(2024.1.28 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
教皇フランシスコは年間第4主日の28日の正午の祈りの前の説教で、「誘惑に遭ったり、誤りを犯しそうになったりしたときは、いつでもイエスに助けを求め、私たちを奴隷にする力を持つものに抵抗するように。悪魔とは対話しないように」と信者たちに呼びかけられた。
説教で教皇は、この日のミサで読まれたマルコ福音書の「汚れた霊にとりつかれた男を癒す」(1章21-28節)箇所を取り上げ、「悪魔は私たちを捕らえようとしているが、主のそばに留まることで、悪魔に抵抗することができる」とされた。
そして、「悪魔は、私たちの魂を鎖で縛るために、私たちに取り付こうと懸命になっています。ですから、私たちは自由を窒息させて心を縛る『鎖』から身を守らなければなりません… 私たち皆が直面するさまざまな種類の束縛が、私たちを奴隷にし、常に不満を抱かせ、エネルギー、財、愛情をむさぼり食わせるのです」と警告された。
*イエスは私たちを解放してくだる
そのうえで教皇は「イエスは、これらすべての鎖と悪魔の容赦ない攻撃から私たちを解放するために来られたのです。イエスは決して悪魔と対話することはありません!」と強調され、「私たちはしばしば、鎖で拘束され、大きな害を受ける。それから自分自身を解放することは困難を伴いますが、キリストは、私たちが悪魔と決して交渉しないことを、思い起させてくれます」と説かれた。
そして、「では、誘惑や抑圧を感じたときはどうすればよいでしょうか?」と問いかけられ、「イエスを呼んでください。悪と恐怖の鎖が最も強く締め付けられていると私たちが感じる場所で、イエスを呼んでください」と促された。
*悪魔と対話してはならない
教皇はさらに、 「悪魔と対話してはならない。悪魔との対話はありません。悪魔と対話すれば、常に悪魔が勝つからです。気をつけてください」と注意され、 「主は聖霊の力によって、今日も”悪しき者”に対して、こう繰り返すよう願っておられます-『出ていけ。心を縛るな。世界、家族、私たちの共同体を分断するな。平和に暮せるようにしろ。そうすれば私の心は、そこで、お前のところではないところで、たくさんの実を付けるだろう』と」と語られた。そして、暴力や憎しみの叫びの代わりに「愛、喜び、柔和が支配」し、「自由、平和、思いやり」があることを、主が望んでおられることを強調された。
*愛と喜びに満ち、警戒を怠るな
説教の最後に教皇は「主は、私たちの人生が愛と喜びに満ちることを望んでおられますが、そのために私たちはいつも注意していなければなりません」とされ、「 イエスは、『悪魔と対話しない』ように用心深くすることと、私たちを主に立ち戻させてくださるように祈ることを、求めておられます」と改めて念を押された。そして、聖母マリアに、「私たちを、悪からお守りください」と願われた。
*正午の祈りの説教の英語版全文はバチカンのウエブサイト the full text of the Pope’s Angelus Address に。