☩「苦しんでいる子供たちのために祈り、喜びをもって前に進もう」-5万人参加の「第1回世界子どもの日」の集いで

 カトリック教会の「第1回世界子どもの日」の初日の25日午後、教皇フランシスコは、ローマのオリンピック競技場で世界の子どもたちとの集いを持たれた。

 集いには、世界101ヵ国から、子どもたちと保護者・引率者ら、およそ5万人が参加。集いの初めに、歌やダンスを交えつつ、5大陸を代表する子どもたちが自分の暮らしや環境を紹介し、また、それぞれが今心配していることについて語った。

 この中でベツレヘムの少年は「8か月間も空にはミサイルが飛んでいます… ベツレヘム、エルサレム 、ガザに生まれたというだけで、子どもたちに一体何の罪があるというのでしょうか」と訴え、ウクライナの少女は「平和が欲しい…これ以上、子どもたちが爆弾が落ちる音を聞いたり、死を目の当たりにすることがないように」と願った。ニュージーランドの少女は、水害の増加による地球の将来が心配、と述べ、アルゼンチンの少年は、病気の子どもや食べる物のない子たちへの思いを語った。

 教皇は、特別車「パパモービル」で入場、競技場を一巡された後、子どもたちに囲まれて席に着かれ、一人ひとりから挨拶を受けられた。そして、あいさつで、「第1回世界子どもの日、私たちは、皆が兄弟である平和な世界、未来ある世界を築く運動のキックオフのために、この競技場に集いました」と子供たちに話しかけられ、「皆さんのすべてが命と未来を物語っています。そして、母である教会は、皆さんを迎え入れ、優しさと希望をもって皆さんを見守ります」と語られた。

 そして、「皆さんが戦争のために悲しんでいるのを知っています。皆さんは、同じくらいの歳の子どもたちが学校に行けないことを辛く思っています。このことは、私も心に留めている現実。私はそのために祈っています」とされ、「戦争に苦しむ子どもたち、食べる物がない子どもたち、誰も治療してくれない病気の子どもたちのために一緒に祈りましょう」と呼びかけられた。

 また教皇は、「見よ、私は万物を新しくする」(黙示録21章5節)という「第1回世界子どもの日」のモットーを示され、「すべてのものは過ぎ去っても、神ご自身こそが新しく、常に新しいものを私たちにもたらしてくださる方です」と語られ、「喜びをもって前に進みましょう。喜びは魂の健康です。親愛なる子どもたち、イエスは福音の中で皆さんを愛しておられると言われました」と子どもたちを励まされた。

 そして、教皇は「天のお母さん」マリアに、「アヴェ・マリア」の祈りを子どもたちと共に捧げられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2024年5月27日