また教皇は、「主が生き、死に、復活された場所、聖地で暮らしておられる皆さんにとって、復活祭を祝うことは、特別な意味を持っています」とされ、「何世紀にもわたって住んできた土地に残りたい」と願う現地のキリスト教徒の心情を理解し、その信仰、慈善、希望を讃えられた。
そして、2014年のご自身の聖地巡礼を振り返り、平和と安全を願い、中東における人類の価値観に対する「絶え間ない、恐るべき脅威」、緊張の連続について警告した聖パウロ6世の言葉を繰り返され、「私たちの救いの場所」を守る中東のキリスト教徒の役割、「苦難を通して主の受難の神秘を永続的に証し」する役割の重要性を強調され、 「新たに立ち上がって前進する皆さんの力によって、十字架につけられた主が死者の中からよみがえられたことを宣言し、そして宣言し続けているのです」と励まされた。
教皇は続けて、聖地のキリスト教徒のために、また聖地のキリスト教徒たちに、次のような祈りを捧げられた。
「主よ、あなたは私たちの平和です(エフェソの信徒への手紙2章14-22節参照)。 平和を実現する者たちへの祝福を宣言された主よ(マタイ福音書 5章9 節参照)。人の心を、憎しみ、暴力、復讐の精神から解放してください。 私たちはあなたの模範に目を向け、憐れみ深く、柔和で、心の謙虚なあなたに従います(同11章29節参照)。 あなたと共に新たに立ち上がる希望を、誰も私たちの心から奪わないようにしてください。 私たちが宗教、民族、国籍の区別なく、女性、高齢者、子供、貧しい人々など最も弱い立場にある人々はもとより、すべての男性、女性、子供の尊厳を守る気力をなくすことがありませんように」。
教皇は、聖地の人々が決して一人ではないことを改めて確認され、世界の教会が「祈りと実践的な慈善活動」を通じて連帯を示すことを約束され、「近いうちに私たちは巡礼者としてあなた方のもとに戻り、あなた方に近づき、あなた方を抱きしめ、あなた方と共に友愛のパンを裂くこと、あなた方が苦しみながら蒔き、忍耐強く育てている種から希望の柔らかい芽が出ることを願っています」 と呼びかけられた。
そして、現地の司教、司祭、修道者の働きに感謝された後、カトリック教徒や他のキリスト教徒の間で「苦しみのるつぼの中で…一致という貴重な黄金が浄化され、輝き出すように」と祈られるとともに、「霊的な親密さと励まし」を表明され、これからも彼らのために祈り続けることを約束された。
書簡の結びで、教皇は、聖地のカトリック教徒に対し、「あなたの国の娘」である聖母マリアが守ってくださるように願うよう勧められ、さらに世界のキリスト教徒に対して、「聖地の人々への具体的な支援を約束し、そのすべての人々が愛する土地に平和のうちに住むことができるように、絶えずお祈りください」と呼びかけられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
You can read the full text of the Pope’s Letter to the Catholics of the Holy Land here.