教皇レオ14世とキリスト教諸教会・諸宗教の使節との集い 2025年5月20日 バチカン宮殿 (@Vatican Media)
(2025.5.20 バチカン放送)
教皇レオ14世は19日、バチカン宮殿のクレメンスホールで、キリスト教の諸教会、および諸宗教の関係者とお会いになった。
会見には、前日18日に、レオ14世の教皇職開始を祝うミサに参加した正教会やプロテスタントなど、他のキリスト教教会の指導者、またユダヤ教やイスラム教をはじめ、世界の様々な宗教の代表や使節が参加した。
レオ14世は冒頭、大きな喜びを込めてすべての関係者に挨拶をおくられた。そして、「聖ヨハネ23世に始まり、歴代教皇に受け継がれ、故教皇フランシスコによっていっそう普遍的な友愛へと広がったエキュメニカルな対話と諸宗教間の交流の歩みを大切にしていきたいと思います」と述べられた。
続けて、自身の教皇への選出がニケア公会議の開催から1700年を迎える年と重なったこと、この公会議で起草された信条はすべての教会で分かち合われていることに言及され、「すべてのキリスト者の一致の追求は、ローマ教皇の義務の一つであるとともに、「In Illo uno unum(唯一のキリストの中に私たちは一つ)」という聖アウグスティヌスの言葉を司教モットーに選んだ私自身の絶えることのない関心でもあります」と指摘。
「キリスト者の共通の歩みは、人類の友愛というさらに大きな精神のもとに、すべての人たちと関わっていくもの」であり、今は、「対話と橋を築く時代です」と強調された。
また、キリスト教とユダヤ教の特別な関係について、教皇は、第二バチカン公会議の公文書『キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言』で記されている「両宗教が共有する霊的遺産の偉大さ」に触れるとともに、キリスト教とユダヤ教の間の神学的対話の重要性を指摘。「対立と誤解によって傷ついた、この困難な時代、キリスト教とユダヤ教間の貴重な対話を継続する必要があります」と述べられた。
カトリック教会とイスラム教間の対話についても、兄弟愛を育む近年の努力に目を向け、「互いの尊重と良心の自由に基づく態度が、両宗教間に橋をかける上での堅固な基礎となるでしょう」と話された。
最後に教皇は、すべての宗教関係者に、この日の出会いと平和への貢献に、心からの感謝を表明され、「暴力と紛争に傷ついた世界にあって、ここに代表される各宗教共同体の方々は、全人類の利益と地球の保護のために、知恵と思いやりと努力をなさっています」とされたうえで、「私たちがイデオロギーや政治的な条件から解放されて一致するなら、戦争に『ノー』、平和に『イエス』、軍拡競争に 『ノー』、軍縮に 『イエス』と言い、人々と地球を貧しくする経済に 『ノー』、すべての人と地球全体に益をもたらす経済発展に『イエス』」と言う言葉が、強い説得力を持つことができるのです」と訴えられた。
(編集「カトリック・あい)