(2026.7.3 Vatican News Deborah Castellano Lubov)

Pope Leo greeted those gathered in Philadelphia for the Liberty Medal (@Vatican Media)
米国の National Constitution Centerが、教皇レオ14世に、世界の人権、平和、信教の自由など普遍的な自由の価値観に多大な貢献をした人に贈られるLiberty Medalを贈った。
教皇は3日、同メダルを正式に受け取られ、翌4日に米国建国250周年を祝う米国民に向かって、建国の価値観、それらが今日果たす役割、そしてこの賞が自身にとってどのような意味を持つかについて語られ、建国250周年が、建国の根本的な理想、とりわけ「生命と自由に対する厳粛な再誓約」の機会となるよう祈られた。
Liberty Medalは、米国憲法の制定200周年を記念して1988年に設けられたもので、自由を保障するために尽力した、勇気と信念を持つ男女に贈られ、これまでに、ネルソン・マンデラ(元南アフリカ大統領)、ダライ・ラマ14世、マララ・ユスフザイ(ノーベル平和賞受賞者)、ウォロディミル・ゼレンスキー(ウクライナ大統領)らが受けている。
教皇は米国民、とくにメダル授与式のためにフィラデルフィアの会場に集まった人々に、ビデオメッセージを送られ、「1776年7月4日の独立宣言の調印で米国が建国されてから250周年を迎える歴史的な年に、このメダルを受け取ることができて光栄です」と感謝された。
そして、「自由と、自分自身と子孫のためのより良い生活を夢見た勇敢な男女によって築かれたこの偉大な国の息子として、私は皆さんと共に、米国の未来に神の祝福が降り注ぐよう祈ります。そして、『独立宣言』の冒頭に掲げられた崇高な理想が、今後も団結、正義、平和のもとでこの国の繁栄を導き続けることを願います」と語られた。
*すべての人に、神から、生命、自由、幸福の追求など不可侵の権利が授けられている
メッセージで教皇は、「私たちの多くは、若い頃から、あの言葉の雄弁さに感嘆してきました。その言葉は、自然法と『自然の神』に力強く訴えかけ、『すべての男女は平等に創造され、創造主から生命、自由、幸福の追求を含む特定の不可侵の権利を授けられている』という主張の根拠となっています」と指摘。
「啓蒙主義の言語で表現されているとはいえ、その主張は、最終的に、『男女が神の像に似せて創造された』という聖書の偉大なビジョンに触発された人間観に根ざしているのです… まさにここに、私たちは人間の尊厳の基盤を見出します。その尊厳は、いかなる国家の樹立にも先立つものであり、その守護こそが国家の真の目的を成すのです」と強調された。
*建国の父たちは自由の国を強く求めた
続けて教皇は、「過去250年間、建国の父たちの崇高なビジョンを実現する、という揺るぎない決意こそが、米国を『自由の代名詞』としました。この国は相次ぐ移民の波に門戸を開き、彼らとその子供たちが国の未来を形作る一助となることを可能にしたのです」とされ、「この自由への愛こそが、前世紀の最も暗い時期、すなわち二つの世界大戦の間、米国に「自国を超えて視野を広げ、多大な犠牲を払って、国境を越えた自由の大義を擁護するよう促したのです」と振り返られた。
そして、「しかし、すべての米国人が知っておられるように、『すべての人々のための自由と正義』という崇高な理想を体現する社会を築く道のりは、必ずしも容易なものではありませんでした。多くの点において、それは今も進行中の課題であり、各世代の人々が、絶えず新たな課題に直面する中で、新たに取り組み続けなければならないものなのです」と説かれた。
*『自由の地、勇者の故郷』の夢に米国が忠実であり続けること
さらに教皇は、「将来を見据え、この歴史的な記念日が、米国の建国の原則について改めて省みる機会となります」とされ、「『自由の地、勇者の故郷』という称号をもたらした夢に、米国が忠実であり続けること」を願われた。
教皇は、「建国の父たちが最初に保障した権利は、生命の権利でした。生命を奪われた者は誰も自由を享受したり、幸福を追求したりすることはできません… 国家の活力は、あらゆる形態や状況にある人間の生命に与える価値と深く結びついており、存在そのものによってすべての人間に与えられた尊厳を認めることにあります」と強調。
*受胎から自然死に至るまで、生命という賜物を守る
そして、「すべての人間の生命に内在する価値こそが、何世代にもわたり、人々に創造主の驚くべき御業を称え(詩編139章14節)、この尊い賜物に対して畏敬の念を抱かせてきたのです」とされ、「まさにこの畏敬の念こそ、私たちが引き続き育んでいかなければならないもの。一人ひとりの心を動かし、受胎の瞬間から自然死に至るまで、この賜物を認め、守る法律を生み出す原動力となるものなのです」と訴えられた。
集まった人々に、自らの世話に委ねられた者たちの守護者および管理者としての責任を改めて、思い起こさせられた教皇は、「この点において、国家の道徳的偉大さは、何よりもまず、すべての人々、とりわけ最も弱い立場にある者やその価値が疑問視されている者たちの生命を支え、守り、大切にする能力に現れます」とされた。
*自由は、米国で新たな出発をしようとする人々にとって最も大切にされてきた原則の一つ
さらに自由について、「自由は、米国の中で新たな出発を求める人々にとって、最も大切にされてきた原則の一つであり、しばしばかつては夢にも思わなかった希望を体現してきました」と振り返られ、「真理と自由への渇望、そして幸福の追求そのものが、あらゆる世代の人々に、人生の意味、私たちの究極の目的、そしてまさに神について根本的な問いを投げかけ続ける原動力となっている。寛大な心を持つ人たちは、誠実にこれらの問いに答えるようにべきです」と言明。
「こうした答えが、必然的に私たちの人生の方向性を形作ります」と指摘された。
関連して信教の自由について教皇は、「米国は、人々が恐れや強制を受けることなく良心の指針に従うために必要な信教の自由を、合衆国憲法修正第1条で規定しているように、長い間、擁護してきました」とされ、「この自由は、信念が形成され、良心が人間の心の決断を導く内面の世界を保護するもの。すべての人が自らの信念に従って礼拝する権利、ならびに個人、共同体、団体が公に信仰を表明する権利も保護するもの」であることを確認。。
「この信教の自由の伝統が、共通の善を促進し、この国の歴史を形作ってきた重大な道徳的・倫理的問題に関する議論を豊かにする上で、宗教間の対話と協力を育んできたのです」と語られ、「この伝統が、節度と異なる見解への尊重、そして国内外における平和と和解を促進するための共通基盤を見出そうとする継続的な努力に特徴づけられる公的な議論において、今後も実を結び続けることを期待します」と述べられた。
*宗教、言語など様々な多様性の中に、共通の基盤、よりよい未来を追求する力を見出した
そして教皇は、「米国の先人たちが多様な背景、宗教、言語を持っていたことを想起しつつ、そのような多様性の中に、共通の基盤を見出し、より良い未来を追求する力を見出しました」と指摘。
「米国の建国の父たちを鼓舞した原則は、人間そのものの真実に根ざしています。それらが彼らを単一の大義、共通の夢の下に結集させ、夢に力を与え、神の下で合衆国を生み出しました。E pluribus unum — 多くのものから一つへ、です」と語られ、「国家が繁栄するためには、一時的な目標だけでなく、不変の理想によって結ばれている必要があります」と付け加えられた。
*人間の尊厳、平等、そして『独立宣言』に掲げられた権利
メッセージの終わりに教皇は、「以上のように、私たちが考察した原則―共有される人間の尊厳、平等、そして『独立宣言』に掲げられた権利―が、常に人々の団結の源となり、現在、そしてこれからの年月における指針となること」を願われ、「この賞を受け取るにあたって、建国250周年が米国を平和と繁栄を重んじ、寛大さと高潔な心を持つ国たらしめてきたこれらの理想への、厳粛な再誓約の機会となること」を祈られた。
そして最後に、フィラデルフィアの会場に集まった人々、そして米国の未来を、「真の自由と永続的な平和の源そのものであり、その御名そのものが『平和』である主に」に委ね、「神がアメリカを祝福してくださいますように!」と願われて、メッセージを締めくくられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)