(2024.3.8 Vatican News Christopher Wells)
教皇フランシスコは8日夕(日本時間9日未明)、四旬節の祈り、礼拝,赦しの秘跡を促す「主のための24時間」にあたって、ローマ市内の聖ピオ5世教会を訪問、信徒たちと共に共同回心式をされ、説教で「私たちは、神の赦しの秘跡である告解によって、洗礼を受けることから始まった新たな人生の旅を再び始めることができます」と語られた。
説教で教皇は、今年の「主のための24時間」のテーマである「新しい人生を歩む」に注目され、「日々の生活の中で、私たちはしばしば、キリストにおける新しい人生の素晴らしさを見失い、神や他者との関係に有害な結果をもたしかねないことがあります」と指摘。「私たちは、まだ旅の途中にありますが、自分が受けた洗礼の道程、私たち本来の素晴らしさ、前に進もうとする気持ちを取り戻すことのできるような、新しい道しるべ、歩くペースと方向の変更が必要です」と説かれた。
そして、「(洗礼を受けることで始まった)新たな人生の歩みを再び始める方法は何でしょう… 神の赦しの道です。 神の赦しは、私たちを元に戻しし、私たちの内を清め、洗礼によって生まれ変わった時の状態に戻します」。だが、イエスに対して「お望みなら、私を清めてください」と願った重い皮膚病の人のように、正直な悔い改めの心を持つ必要があるものの、「私たち自身の努力だけでは足りません。そのことは、神だけが知っておられ、心を癒してくださる。 神だけが、私たちを悪から救い出すことがおできになるのです。そのようにして、私たちが新しくされ、自由に、幸せになり、新しい人生の道を歩み続けることができるようにすることこそ、イエスが望んでおられます」と強調された。
さらに教皇は、「イエスを悲しませないように。 神の赦しとの出会いを先延ばしにしないようにしましょう。神に立ち直させていただくことで、私たちは元の道に戻り、罪が永遠に払拭されるのを経験できるからです」とされ、 「神の赦し―つまり和解の秘跡-を捨てないようにしましょう。それは単なる献身的な実践ではなく、キリスト教徒の存在の基礎です」と語られた。
教皇はまた、告解の秘跡を行う司祭たちに対して、「神の赦しを、教会の中心に戻す」よう促され、「赦しを求める人に常に赦しを与え、罪を告白することを恐れる人々が自信を持って癒しと喜びの秘跡に近づくことができるよう助けること」を求められた。
そして、説教の最後に、信徒たちに対して、イエスが私たちの過ちをすべて清めることができることを思い起こすよう求め、「イエスよ、あなたが清めてくださると信じています。 あなたの赦しが必要です。 私を新しくしてください、再び新しい人生を歩めるように」との祈りをもって告解するように促された。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)