イタリアのカトリック系団体による夜の炊き出し
(2024.6.13 バチカン放送)
11月17日のカトリック教会2024年度「貧しい人々のための世界祈願日」に先立ち、教皇フランシスコのメッセージが13日発表された。
8回目となるこの世界祈願日に教皇が選ばれたテーマは「貧しい人の口から出る願いは、主の耳に達する」(旧約聖書続編シラ書=集会の書21章5節)。来年2025年の聖年の準備のための「祈りの年」として宣言された今年、重要な意味が込められている。
メッセージの中で、教皇は「貧しい人々は、神の御心の中で特別な場所を占めており、神は、その一人ひとりの近くにおられます」とされ、「貧しい人々の祈りに耳を傾けられる神は、彼らの苦しみを前に、いたたまれない思いをされます。その思いは『主の裁きは、速やかに訪れる』(シラ書21章5節)という言葉にあるとおりです」と語られる。
そして、「貧しい人のために祈り、彼らと共に謙遜と信頼をもって祈るように」と信者たちに促され、「『貧しい人々のための世界祈願日』は、私たちが暮らす町やコミュニティーにおける貧しい人たちの存在を意識し、彼ら必要としていることを理解する機会となります」と強調。
また、戦争の暴力から、武力による誤った政策から生まれる「新たな貧しい人々」、多くの無辜の犠牲者たちに言及された。
そのうえで、「祈りが本物であるかどうかは、具体的な愛の業によって確かめることができます。祈りと愛の業は互いを必要とし、祈りが具体的な業の形にならないなら、それは虚しいもの… 祈りを伴わない業は、長続きしない博愛になる恐れがあります」とされ、「祈りと愛の業の関係は、コルカタの聖テレサのように、多くの聖人たちが歴史の中で証ししてきました。マザー・テレサは『祈りは、貧しい人々に仕えるために、信仰と力を汲み取る場所だ』と繰り返されていました」と指摘された。
「貧しい人々のための世界祈願日」は、「多くの時間を貧しい人への傾聴と支援に捧げる人々を思い出し、神に感謝を捧げる日でもあります」と述べられる教皇は、今年のメッセージを通し、「神を求め、また神の寄り添いの具体的なしるしとなる誰かを必要とする、貧しい人々へのより真剣で霊的な関心」を深めるよう、すべての人に呼びかけておられる。
(編集「カトリック・あい」)