People pray for Pope Francis outside Rome’s Gemelli Hospital in Rome, where the Holy Father is cotinuing to receive treatment
(2025.3.2 Vatican News Francesca Merlo)
バチカン報道官室は年間第8主日の2日、ジェメリ病院で療養を続ける教皇フランシスコが用意された正午の祈りの説教原稿を公開した。なお、報道官室の同日朝の発表では、「1日夜は順調に経過した。教皇はお休みになっている」という。
説教原稿で教皇は、「弱さ」に直面している自分のための祈ってくれている世界の人々と治療にあたっている医師団に感謝されるとともに、世界の平和へ祈りを絶やさないように呼びかけられた。
教皇は信者たちにも祈りを捧げると約束され、「あなた方のことも祈っているます。そして何よりも平和を祈っています」と述られたうえで、「ここ(ジェメリ病院の10階の病室)から見ると、戦争はさらに馬鹿げたものに見えます」と語られ、世界、特に「苦しむウクライナ、パレスチナ、イスラエル、レバノン、ミャンマー、スーダン、キブ」のために祈るよう、世界の人々に重ねて求められた。
また、ご自身の治療にあたってくれている医師団、医療関係者たちに「私を気遣ってくれていること」を感謝され、自身の病に秘められた恵みについて振り返っって、「まさにこのような時にこそ、私たちは主をより一層信頼することを学ぶのです。同時に、私は神に感謝しています。なぜなら、神は私に、多くの病に苦しむ人々の状態を、肉体と精神の両面で分かち合う機会を与えてくださったからです」と述べられた。
そして最後に、教皇は世界中の信者たちの心から湧き上がる祈りに深く感謝され、「皆さんの愛情と親密さを感じています。そして、この特別な時には、神の民の皆さんに『支えられ』ているように感じています。皆さん、ありがとうございます!」と語られた。
また、この日のミサで朗読された福音の箇所について、「この福音は、人間の五感のうちの2つ、視覚と味覚に焦点を当てています」とされ、まず、「視覚」について、「世界をよく観察し、隣人を慈愛をもって判断できるよう、目を鍛えるように、とイエスが私たちに求めています… 他の人々への非難ではなく、思いやりのある眼差しだけが、真の美徳である兄弟的な矯正を可能にするのです。”兄弟的”でなければ、それは矯正ではありません!」と強調。
次に「味覚」については、「すべての木はその実によって知られる」というイエスの教えを思い起こされ、「人間から生まれる『実』とは、例えば、その人の唇から発せられる言葉」とされ、さらに、暴力的で偽りの多い下品な言葉である「腐った実」と、公正で誠実な言葉であり、私たちの対話に味わいを与える「良い実」とを対比された。
そして、これらの2つの側面について考え、教皇は信者たちに自分自身の生活を振り返るよう信者たちを促され、次のように自問するよう求められた—「私は兄弟姉妹である他の人々をどのように見ているだろうか? そして、私は他の人々からどのように見られていると感じているだろうか? 私の言葉は良い味わいを持っているだろうか、それとも苦味や虚しみに満ちているだろうか?」。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)