☩「歴史の闇を打ち破り復活された主の光を受け、希望の建設者になろう!」-教皇、復活徹夜ミサの説教で

(2025.4.19 Vatican News  Thaddeus Jones)

 復活徹夜祭のミサが19日夜(日本時間20日未明)、聖ペトロ大聖堂で行われ、教皇フランシスコは、ジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿が代読した説教の中で、「キリスト復活の光が私たちの道を一歩ずつ照らし、歴史の闇を打ち破り、私たちの心を照らす」と強調された。教皇はミサの数時間前、聖ペトロ大聖堂においでになり、祈りを捧げ、集まった信者たちに挨拶をされた。大聖堂と聖ペトロ広場には5000人を超える信者が集まった。

 説教で教皇は、復活の光は「勝利至上主義を排した謙虚な信仰の応答 を求めています。私たちの心にゆっくりと静かに根を下ろす”小さな光の種”のようなものです」とされ、さらに、復活の光は「私たちの心に宿る夜や、私たちの世界にしばしば立ちはだかる死の影に対処する助けとなります。私たちはそのプロセスの一部であり、その” 小さな光の種 ”が守られ、成長するのを助けるように託されているです」と説かれた。

Easter Vigil in Saint Peter's Basilica
Easter Vigil in Saint Peter’s Basilica   (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

*復活祭がもたらす希望を花を咲かせよう

 そして、教皇は、「兄弟姉妹の皆さん、特にこの聖年において、私たちは、『復活祭がもたらす希望を、私たちの生活と世界に咲かせるように』との呼びかけを、私たちの内に強く感じる必要があります」と語られた。

 「私たちの世界における死や暴力、悪の暗い影が、いかに私たちに重くのしかかり、希望の光を曇らせるか」を認められたうえで、「私たちが暗闇の中にいても、光は静かに輝き出しています。新しい命と最終的に自由にされた世界の約束が、私たちを待っている。新しい始まりは、それがどんなに不可能に思えても、キリストが死に打ち勝ったことで、私たちを驚かせることができるのです」と強調。

 さらに、「復活されたイエスを祝って私たちの心を満たすこの新たな希望のメッセージは、私たちが、人生の闇夜を乗り越えるのを助けてくださる 『神の御手』の中にある ことを思い起す助けとなるはずです。その大いなる愛において、神は私たちをくじけさせず、悪が最後の言葉を持つことを許さない。同時に、キリストにおいてすでに成就したこの希望は、私たちにとっては到達すべき目標であり続けます」と語られ、「この希望が私たちに委ねられているのは、私たちがこの希望について信頼に足る証しをすることができるように、そして、神の国が私たちの時代の女性と男性の心にその道を見出すことができるようにするためなのです」と説かれた。

*キリストの復活がもたらす希望の使者になろう

Easter Vigil in Saint Peter's Basilica
Easter Vigil in Saint Peter’s Basilica   (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

 続けて教皇は、キリストの復活がもたらす希望は、私たち自身の生活にそれを反映させ、「多くの死の風がまだ私たちを苦しめている中で、希望の使者となり、希望の建設者となる ことを私たちに求めています」と強調。「私たちが使う言葉、私たちが示す思いやりと愛の 日々の小さな行為 が、信仰を欠き、道を見失い、貧困や抑圧によって苦しみに打ちひしがれている人々のためにも、私たちの人生全体が希望の存在となることができるのです 」とされ、「辱められ、殺される多くの女性たち、胎児、虐待される子どもたち、戦争の犠牲者たちを思い起こし、その一人ひとりに、そしてすべての人に、復活祭の希望をもたらしましょう!」と信者たちに呼びかけられた。

 

*キリストは人類史の決定的な転換点、色あせることのない希望、愛

 

 さらに教皇は、「復活されたキリストは、人類史における決定的な転換点です。キリストは色あせることのない希望です。私たちに寄り添い、私たちを支えてくれる愛です… 復活された主の光を受け入れる場所を作りましょう!そして、私たちは世界の希望の建設者となるのです」と訴えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2025年4月20日