☩「暴力を止め、民間人の命を守ることに全力を尽くして」-コンゴでの内戦激化、虐殺発生に訴え

FILE PHOTO: Suspected Islamist rebels from the Allied Democratic Forces (ADF), attack villages of MasalaFILE PHOTO: Suspected Islamist rebels from the Allied Democratic Forces (ADF), attack villages of Masala 

(2024.6.16 Vatican News)

   教皇フランシスコは16日、年間第11主日の正午の祈りの後で、ここ数週間にわたって多くの戦闘と虐殺が起きているコンゴ民主共和国の悲惨な状況を取り上げ、特に罪のない民間人の保護を、同国の当事者たちと世界の国々、機関に強く訴えられた。

 「コンゴ民主共和国東部から、衝突と虐殺の痛ましいニュースが届き続けています」とされた教皇は、「私は、暴力を止め、民間人の命を守るために全力を尽くすよう、国家当局と国際社会に訴えます」と述べられた。

 そして、犠牲者の中にキリスト教徒が多くいることも指摘され、彼らを「殉教者」という言葉で表現され、「彼らの犠牲は発芽して実を結ぶ種であり、勇気と一貫性をもって福音を証言することを私たちに教えてくれます」と続けた。

 そのうえで、教皇は、正午の祈りに参加した信者たちに、コンゴ以外でも世界中の戦乱に苦しむ人々のためにも祈るよう求められ、「ウクライナ、聖地、スーダン、ミャンマー、そして戦争で苦しむ人々がいるあらゆる場所で、平和を祈り続けることをやめないようにしましょう」と呼びかけられた。

現地からの報道によると、同国東部では5月4日から7日にかけて、反乱軍である連合民主軍(ADF)が北キブ州ベニの村々を襲撃、村民のバイクなどを奪い、家々に放火、42~80人が死亡している。脱出した村民はベニ市西部のキャサバやマバラコに避難しているが、マバラコの総合病院は、負傷者を含む患者であふれているという。また、この地域でのADFの攻撃で合わせて123人、あるいは約150人の民間人が殺された、との報道もある。

ADFはコンゴ東部に拠点を置き、この地域で30年近く活動してきた。イスラム教過激派”イスラム国”に忠誠を誓っており、都市や村々に頻繁に攻撃を仕掛け、多くの過激派グループが活動するこの地域の不安定化がさらに進んでいる。これとは別に、政府軍は、ルワンダとつながりのあるM23反乱軍とも戦闘を続けている。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年6月16日