☩「戦争で私たちはすべてを失う」教皇、ウクライナ侵攻開始以来の言葉をまとめた本の巻頭文で

(2022.12.5 Vatican News   Lisa Zengarini)

 

*いつも『キリストの眼差し』をもたねばならない

 教皇は巻頭文を、イタリアの作家アレッサンドロ・マンゾーニによる有名な小説「I Promessi Sposi(婚約者)」からの引用で始められた。「それを終わらせずに奇跡を始められる主を、私は見たことがない」ーこの言葉が、「2025 年の聖年のために私が選んだ標語『希望の巡礼者』に、ひらめきを与えてくれました」と語られた。

 

*戦争では誰もが敗者となる

 さらに教皇は、第二次世界大戦が勃発する前夜の教皇ピウス 12 世の言葉を引用する形で、「戦争では、誰もが敗者となります。戦いに加わらない人も、勇気がなく、われ関せずの立場を取った人も、傍観し、平和ともたらすことに努めずに、恐ろしい現実をただ見ていた人さえも、敗者となるのです」と警告。

 「私たちは皆、どのような役割であろうと、平和の導き手となる義務を負っています。誰にも、目を背ける権利はありません」と強調された。

 最後に、教皇は、ロシアがウクライナ軍事侵略を開始してからこれまでの自身の訴えをまとめてくれたイタリア人ジャーナリストのフランチェスコ・アントニオ・グラナに謝意を述べるとともに、ウクライナに平和が回復されるように祈り、ウクライナはじめ世界中で起きている”断片的な第三次世界大戦”、私たちの目の前で”本格的になりつつある第三次世界大戦”を「”習慣化”してしまわないように」と、世界のすべての人に改めて強く訴えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年12月6日