
(2025.2.7 バチカン放送)
教皇フランシスコが7日、8日の「International Day of Prayer and Awareness against Human Trafficking(世界人身取引に反対する祈りと啓発の日)」のメッセージを発表された。
世界のカトリック教会は毎年2月8日、人身取引犠牲者の保護者である聖ジュゼッピーナ・バキータの日を「世界人身取引に反対する祈りと啓発の日」としている。聖年である今年のテーマは、「希望の使者:人身取引に共に反対を(仮訳)」だ。
教皇はこの日を前にした7日、人身取引の撲滅に取り組む奉献生活者の国際ネットワーク「タリタ・クム」の代表者らにお会いになり、その場でメッセージを発表された。
メッセージで教皇は、「この聖年の年に、『希望の巡礼者』として、人身取引に反対する道を共に歩むように」と世界の信者たちに勧められている。
「女性や、子ども、若者、移民・難民をはじめ、現代の奴隷制度に囚われている無数の人々を前に、どのように希望を育み続けることができでしょうか」と問いかけられた教皇は、「私たちの希望、キリストに眼差しを上げることによって、暗い中で小さな光を灯し、その光を一つに合わせることで、あけぼのが訪れるまでの夜の闇を照らすことができるのです」と強調。
「人身取引と闘う世界中の若者たちの姿から、希望の使者となり、粘り強さと愛をもって共に行動し、被害者に寄り添う必要を学ぶように… 神の助けをもってこそ、不正に慣れることを防ぎ、ある種の現象を根絶やしにすることは不可能と考える誘惑を遠ざけることができます」と述べておられる。
また教皇は、「人身取引の仕方は複雑で、常に変化し、戦争や紛争、飢餓、気候変動の影響を悪用して育つ現象です」とされ、人身取引に反対するために、世界的な対応とあらゆる層における共通の努力の必要を示され、「人間の尊厳を守り、あらゆる形の人身取引をなくし、世界平和を推進するための取り組みを促すように」と世界のすべての人々、特に政府や諸組織に呼びかけている。
そして、メッセージの最後に教皇は「『人類は皆、兄弟』という自覚と最大限の努力をもって、人身取引や搾取をなくし、基本的人権の尊重がそれに優る状況を共に作り出していくことができるように」と聖バキータに主への取り次ぎを願われた。