☩「対話が武器に取って代われるように」と教皇、戦争否認のイタリア憲法第11条を引用

(2024.11.3  Vatican News   Linda Bordoni)

 教皇フランシスコは3日、世界中を苦しめている紛争の調停による解決を、改めて世界の当事者たちに求めるとともに、スペイン・バレンシア地方を襲った壊滅的洪水の被災者への支援に協力するよう信者たちに呼びかけられた。

 教皇はこの日、世界9か国で紛争や貧困の被害者への支援活動を行っている慈善団体「エマージェンシー」のローマ支部を訪問された際、戦争拒否に関するイタリア憲法第11条を引用し、世界中の戦争当事者たちに対し、対話を開始し、紛争を終わらせるように、求めたもの。同団体が支持するイタリア憲法第11条には「イタリアは、他国民の自由に対する侵害の手段としての戦争、および国際紛争解決の手段としての戦争を否認する」と記されている。

 教皇は「この原則が世界中で適用されるように。戦争を禁止し、法律と交渉によって問題に対処できるように。武器を黙らせ、その代わりに対話を実現しよう。戦争が禁止され、法と交渉によって問題が解決されるように。武器が沈黙し、対話がその代わりとなるように」と呼びかけられ、さらに、信者たちに「苦しむウクライナ、パレスチナ、イスラエル、ミャンマー、南スーダン」のために祈りを捧げるように求められた。

 また、フランシスコ法王は、少なくとも214人が死亡し、数十人が行方不明となっている壊滅的な洪水の被害を受けたバレンシアやスペインの他の地域の人々にも思いを馳せ、「バレンシアや、最近大きな被害を受けているスペインの人々のために、引き続き祈りを捧げましょう」と呼びかけられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2024年11月3日