
(2024.11.20 Vatican News Devin Watkins)
教皇フランシスコは20日発表の書簡で、「世界子どもの日の推進と子どもの権利と尊厳の尊重を擁護するという教会の使命」を推進する「世界子どもの日のための教皇庁委員会」を設置された。「子どものまなざしは畏敬の念に満ち、神秘に対して開かれている。それは、大人がしばしば認識できないものを見るまなざしである」-書簡で教皇は、この新しい教皇委員会に「世界子どもの日の推進、組織化、活性化」という使命を託され、初代委員長にエンツォ・フォルトゥナート神父(「コンベンツアル小さき兄弟会」会員)を任命された。
教皇は書簡で、「人類の歴史を通じて子供たちの社会的地位は、大きく変化してきました」と指摘。「イエスの時代には、子供たちは高く評価されていませんでした。子供たちは『まだ人間ではない』とみなされ、神の国の神秘を解き明かすことに専念するラビたちからは厄介者と見なされていました… イエスは、この考え方を覆し、弟子たちに子供たちが人生に接する驚きに倣うよう促されたのです」と語られた。
そして、「弟子たちは、信頼、委ね、驚き、そして驚嘆を育むよう求められています。これらは、年齢や幻滅によってしばしば人間性から消え失せてしまう性質です」とされたうえで、「子供たちはキリストの血によって贖われたのであり、将来、大人になって教会や社会に貢献するということだけでなく、現在の段階においても、固有の価値があるのです」と強調。「家族、教会、国家は、子供たちのために存在する。その逆ではありません… この世に生まれた瞬間から、すべての人間は、譲渡不能で不可侵な普遍的な権利の主体なのです」と説かれた。
また、教皇は、「教会が子供たちの権利を代弁することは義務であり、慈善の表現です」と言明。「子供たちは、母親や父親、家族に認められ、歓迎され、理解され必要があり、そのようにされる権利があります。両親と同居しているかどうかに関係なく、愛情に包まれ、情緒的な安定を経験し、アイデンティティを見出せるようにすること、さらに、名前、家族、国籍を持ち、尊敬と高い評価を得て、生活や教育環境において情緒的な安定を享受するようにすることが、必要です」と訴えられた。
そのうえで教皇は、世界子どもデーは、「教会の司牧活動の中心に子どもたちを据え、子どもたちの重要性を認識して世界中の教区を団結させる機会を提供するもの。子どもたちが友として、また善き羊飼いとしての主イエス・キリストを知り、愛し、仕えること、そして教会が精神的な遺産として大切に保管している聖なる子どもたちの伝統に信仰を根付かせることを助けます」と語られた。
結論として、教皇は、世界子どもの日は、「福音的および教育的な観点から、子どもに対する司牧的ケアがますます優先事項となる」よう、持続的な取り組みとなるべきであり、新たに設置された委員会はこの年次イベントを単発的なものに終わらせないよう努めます」と述べられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)