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(2025.1.19 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
教皇フランシスコは19日の正午の祈りの説教の中で、同日に発効したガザ停戦合意を称賛され、合意の尊重とガザへの支援の必要を強く求められた。
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また、聖年を記念して囚人釈放を発表したキューバ政府を称え、18日から始まったキリスト教一致祈祷週間についても、信者たちの注意を向けられた。
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まずガザ停戦について、教皇は、合意成立に尽力した調停者はじめ関係者全員に感謝されるとともに、「合意された内容が当事者によって尊重されること」と「すべての人質が最終的に帰宅し、愛する人々と再び抱擁できること」を願っている、とされ、「私は、彼らとその家族のために多くの祈りを捧げています」と語られた。
さらに、「緊急に必要な人道的支援が、大量にガザ地区に、一刻も早く到着できるように」と祈られ、最終的な「二国家解決(two-state solution=イスラエルとパレスチナが独立した二つの主権国家として平和的に共存すること)」の実現を求めるバチカンの姿勢を繰り返し強調。
「イスラエル人もパレスチナ人も、明確な希望の展望を必要としています。私は信じています―双方の当局者が国際社会の支援を受け、2つの国家という正しい解決策に到達できることを」と述べられ、「誰もが、対話、和解、平和に対して、『イエス』と言えるように、この3つの要素の達成を祈るように」と世界のすべての信者に呼びかけられた。「合意された内容が当事者によって直ちに尊重され、すべての人質が最終的に帰宅し、愛する人たちと抱き合うことができるよう願っています」。
次に、教皇は今週キューバ政府が発表した「さまざまな犯罪で有罪判決を受けた」553人の釈放について喜びを表明された。この決定は、ディアス=カナエル・キューバ大統領が今月初めに教皇フランシスコに宛てた書簡で伝え、この釈放が「2025年の通常聖年に則ったもの」と述べている。
「これは、この聖年における意図のひとつを体現する、大きな希望のジェスチャーです」と教皇は評価され、「今後数か月の間、人々や住民の歩みに自信を与えるこの種の取り組みを続けることを願っています」と希望を述べられた。
教皇は、聖年を定める教令の中で、「政府が希望を取り戻すためのイニシアティブを提案すること、個人や社会が自信を取り戻すための恩赦や大赦、そして、法の尊重を具体的に約束する地域社会への再統合プログラム」を提案している。
また教皇は、18日から始まった「キリスト教一致祈祷週間」に言及され、「主の弟子たち全員が完全に一致する、という神からの貴重な贈り物を、私たちは決して祈り求めることをやめてはなりません」と強調。
最後に、「苦しむウクライナ、パレスチナ、イスラエル、ミャンマー、そして戦争のために苦しむすべての人々のために、常に祈りを捧げましょう」と世界の人々に呼びかけられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)