(2025.5.11 Vatican News Thaddeus Jones)
教皇レオ14世は、世界正面祈願の日の11日の正午の祈りに先立つ説教で、聖ペトロ広場を埋めた10万人を超える信者たちを前に、「司祭職と奉献生活への召命のために、そして、人生の旅路において、愛と真理のうちに歩むことができるよう、互いに奉仕して生きるために、祈るように」と呼びかけられた。
*良い羊飼いの主日に
新教皇は、11日が「良い羊飼いの主日」であることを思い起こされつつ、ローマ司教としての最初の日曜日に、このミサで読まれた福音書にある 「自分の羊を知り、愛し、羊のために命を捧げる、真の羊飼い」としてご自身を示されたイエス」を祝うことができるのは、「神からの賜物です」と語られた。
*世界召命祈願の日に
11日はまた、世界召命祈願の日であり、ローマを訪れているバンドや大衆芸能のメンバーによる2025年聖年の巡礼の最終日でもあることも想起され、「良い羊飼いであるキリストの祭日を盛り上げ、聖霊によって教会を導いてくださる皆さん 」の音楽と演奏に感謝し、親愛の情をもってすべての人に挨拶を送られた。
*互いに助け合おう!
続けて新教皇は、召命、特に司祭職と奉献生活への召命のために、すべての神の民とともに祈ることができる喜びを表されるとともに、「教会が、彼らを大いに必要としている 」のと同様に、「彼らが 、共同体の中で受け入れられ、耳を傾けられ、励まされ、神と兄弟姉妹への惜しみない献身の信頼できる模範を見い出す 」ことができるよう、私たち皆が、彼らの召命の旅路を支援するように、と促された。
そして故教皇フランシスコの「世界召命祈願の日」のメッセージを思い起こしつつ、「皆が互いに奉仕し合い…互いに助け合って、愛と真理のうちに歩み、生きることができること」を神に願いながら、「若者を歓迎し、共に歩む」ように、信者たちを促された。
*恐れてはならない!
特に召命に関して、新教皇は、若者たちを「教会の招きと主キリストの招きを喜んで受けなさい!」と励まされた。
そして最後に、「主の呼びかけに応えた生涯であった聖母マリアが、イエスに従う私たちにいつも寄り添ってくださいますように」と願われ、説教を締めくくられた。
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(Vatican News Francesca Merlo)
また教皇レオ14世は、正午の祈りに続けて、故教皇フランシスコの言葉を引き継ぐ形で、ウクライナ、ガザ、インドとパキスタンの国境における紛争終結を訴えられた。
「『断片的に戦われる第三次世界大戦』という今日の劇的な状況において…。戦争は絶対に繰り返してはなりません!」。
新教皇は、80年前の5月8日に6000万人の死者を出して終結した第二次世界大戦の甚大な悲劇を思い起こされ、今日の世界を苦しめている現代の戦争に目を向け、 「私は、愛するウクライナの人々の苦しみを胸に抱いています… 真の、公正で、永続的な平和に一刻も早く到達するためにあらゆる努力がなされるように」と訴えられた。
さらに、「すべての捕らわれている人々が解放され、子どもたちが家族のもとに戻されますように」と願われ、ガザ地区で今も進む人道的大惨事について「何が起きているのか、私は深く心を痛めている。戦闘を直ちに停止させ、疲弊した市民に人道支援を提供し、すべての人質が解放されますように」と当事者たちに求められた。
そして、強い希望の中で、インドとパキスタンの停戦合意が発表されたことを歓迎され、「今後の交渉を通じて、永続的な戦闘の停止が合意が速やかに達成されることを望みます」と語られた。
続けて、新教皇は「世界には、このほかにもどれほどの紛争があるのでしょうか 」と問いかけられ、最後に、自らの「心からの願い」を平和の女王マリアに託されて、「聖母マリアが、その願いを主イエスに託され、私たちに平和の奇跡をもたらしてくださるように」と祈られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)