☩「勇気をもって人生をキリストに捧げる若者たちを世界は必要としている」-5月11日の「世界召命祈願の日」に向けて

(2025.3.19  バチカン放送)

 5月11日に記念される第62回「世界召命祈願の日」に先立ち、教皇フランシスコのメッセージが19日発表された。今回のテーマは、「希望の巡礼者:人生の贈り物(仮訳)」だ。

 メッセージで教皇は、自らの人生を寛大に捧げることで「希望の巡礼者」となるように、喜びと励ましのうちに呼びかけられた。「召命とは、神が心の中に種をまかれる尊い贈り物、愛と奉仕の歩みを始めるために自分自身の外に出るようにとの呼びかけ」とされ、その召命が信徒としてのものであっても、また聖職者や奉献生活者のものであっても、「教会の中のあらゆる召命は、神が世界とご自分の子らに抱いておられる希望のしるしです」と説いておられる。

 教皇は、「自らの召命を受け入れる」ことの大切さに触れながら、「すべての召命は、希望により生かされ、それは摂理への信頼へとつながっていきます」、「キリスト者にとって『希望を持つ』とは、単に人間的な楽観ではなく、各自の人生の中で働かれる神への信仰に根差す確信、と言えます」と述べ、若者たちに向け、「神における希望は欺くことがない。神はご自分に信頼する者の一歩一歩を導いてくださるからです。『希望の巡礼者』として、勇気をもって自らの人生をキリストに捧げる、あなたがた若者たちを、世界は必要としています」と強調された。

 次に教皇は「自らの召命の歩みを識別する」ことを取り上げ、「召命の発見は、識別の歩みを通してもたらされます。その道のりは決して孤独ではなく、キリスト教共同体の中で、共同体と一緒に発展していくのです」と語られ、召命を個人だけの問題ではなく、共同体のものとすることに注意を向けられた。

 また、「私たちが自分の人生を贈り物とするなら、深い潜心は、誰もが希望の巡礼者となれることを教えてくれます」とされ、「心に語りかける神」に沈黙と祈りの中で耳を傾けるよう若者たちに促され、さらに、すべての人の召命について、「神の呼びかけに耳を傾ける人は、『疎外され、傷つけられ、見捨てられた』と感じている多くの兄弟姉妹たちの叫びを無視できない。すべての召命は、光と慰めを最も必要とする場所でキリストの現存となる使命へと開かせます。特に信徒は社会的・職業的な努力を通し、神の国の『塩、光、パン種』となるよう呼ばれています」と強調。

 最後に「召命の歩みに寄り添う」ことについて、司牧・召命担当者、特に霊的指導者たちに対し、「希望と忍耐強い信頼をもって、若者たちの歩みを神の教育のなさり方に委ね、彼らを助けながら、その歩みに神のしるしを注意深く認める、信頼できる賢明な指導者となるように」と願われ、またすべての信者に対して、「『キリストに従うことが、すなわち喜びの源泉』だということを、自らの生き方を通して告げる『希望の証し人』を、世界はしばしば無意識のうちに求めています」と述べられ、収穫のために働き手を送ってくださるように絶えず主に祈りつつ、「福音の道を常に希望の巡礼者として歩んで行こう」と呼びかけておられる。

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 カトリック教会は、「善き牧者の主日」と呼ばれる復活節第4主日に「世界召命祈願の日」を記念する。この日は、特に司祭や修道者への神の招きに、より多くの人が応えることができるように、またそれぞれの信者がキリスト者として自らの召命を見出せるように、全教会が祈りを捧げる。

(編集「カトリック・あい」)

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2025年3月20日