(2025.9.5 Vatican News Linda Bordoni )
教皇レオ14世が「すべての命を守る月間」の5日、ローマ郊外の夏の離宮・カステル・ガンドルフォでBorgo Laudato si’(ラウダート・シ村)の開所式を行われ、説教で、「総合的な生態学を持続・育成するこのプロジェクトは、希望の種であり、生態学的回心のモデルです」と述べられた。
Borgo Laudato si’(ラウダート・シ村)のプロジェクトは、前教皇フランシスコが最初に構想され、霊性、教育、歴史、自然、芸術、持続可能な革新を統合し、創造物と「最も弱い立場にある人々」への配慮、という教会の取り組みを証しするのが狙い。
5日、施設の正門から入られた教皇レオ14世は、村を訪れた巡礼者や村の奉仕者たちに出迎えられた。並木道を歩きながら挨拶され、「歓迎」という中心テーマを体現された。これは、被造物の保護と連帯、人間の尊厳を結びつけるものだ。
教皇はさらに、電気カートで村内を回られ、村の保守、管理をしている人々と家族と会い、土地の管理とボルゴ内で栽培される3000種以上の植物の手入れに感謝を伝えられた。睡蓮が浮かぶ池で日本の鯉に餌をやり、庭園の美しさを鑑賞され、バイオダイナミック農法(ドイツの哲学者=人智学=ルドルフ・シュタイナーによって提唱された循環型の有機農法・自然農法)のブドウ畑では、手入れにいそしんでいる職員に挨拶し、馬を含む動物たちに祝福を与えられ、創造物と人間の双方を慈しむ「総合的な生態学」の実践を自ら示された。
続いて、新設されたNet Zero Energy(消費エネルギーと、太陽光発電などの生成エネルギーの収支を、実質ゼロにする)の複合施設—Borgo Laudato si’プロジェクトの核心であり、生態学的持続可能性に捧げられたあらゆる取り組みを主催する高等教育センター—を訪れ、テノール歌手アンドレア・ボチェッリとその息子マッテオによる祈りの音楽に包まれながら、み言葉の典礼と祝福の儀式を行われた。
教皇は説教で、マタイ福音書にある、イエスが「空の鳥を見よ」「野の百合を見よ」とされた言葉を思い起こされ、「あらゆる被造物は、神の計画において重要かつ固有の役割を持ち、それぞれが『良い』存在なのです。創造物を守ることは、すべての人間にとって真の天職。私たちは被造物の中の被造物であり、創造主が造られたすべてのものを守る責任を託されています」と説かれた。
そして、「Borgo Laudato si’は、信仰と持続可能性の『生きた実験場』となることを意図しています… 今日、私たちが目にするのは、霊性と日常生活、技術が調和して共存する、並外れた美の総合体です。ここは親密さと和やかな近接性の場であり、正義と平和の実を結ぶ種です」と語られた。最後に、教皇は、「すべての被造物への感謝を目覚めさせ、指導者たちに公益を推進する知恵を与え、生命を守る決意を強め、『正義と平和、愛と美の王国」を準備することがきますように」と神に祈願された。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)