(2024.8.9 Vatican News Isabella Piro)
教皇フランシスコは イエズス会中国管区のペドロ・チア広報部長とのインタビューで、中国は「偉大な民族」であり「その遺産を無駄にしてはならない」と強調。同国への訪問を希望していることを改めて表明された。
*特に聖母マリアの佘山聖堂への訪問を希望
教皇は中国、特にキリスト教徒の助け主である聖母マリアに捧げられた松江区の佘山聖堂への訪問を希望され、「現地の司教たちや信仰深い神の民に会いたい。彼らは信仰深い民です… 多くのことを経験し、信仰を守り続けてきました」と語られた。
*忍耐強く待つ人々に希望のメッセージを送る
また、中国の若いカトリック教徒について、「希望の達人であり、忍耐強く待つ人々に対して希望のメッセージを送ることは、私にはエールの交換のようにも思われますが、とても素晴らしいことです」と指摘。そして、 中国の人々は「偉大な人々」であり、「自分たちの遺産を無駄にしてはなりません… 自分たちの遺産を、忍耐強く、引き継がなければならない」と強調された。
*批判と抵抗は、建設的でなくても、常に役に立つ
就任から10年を超える教皇職について尋ねられた教皇は、「バチカンの高官や全ての人々と力を合わせ、耳を傾け、協議しながら、務めを果たしてきました」と述べ、様々な批判を受けてきたことに対しては「批判は、たとえ建設的でなくても、常に役に立ちます… 常に有益であり、自分の行動を振り返るきっかけとなります」とされた。
そして、「抵抗の背後にさえ、時には良い批判があることがあります。時には、痛みもありますが、耐えることが求められます。例えば、今起きている、教会に対する『小さなグループ』からの抵抗に遭った時などがそうです。それでも、困難や絶望の瞬間は、常に主の慰めによって解決されるのです」と語られた。繰り返した。
*戦争とその他の課題
また、これまでの教皇職で直面した多くの課題の中で、特に、「新型コロナの世界的大感染」と、今も続く「ウクライナ、ミャンマー、中東での戦争」を挙げられ、 「私は常に対話を通じて問題を解決しようと努めています… それがうまくいかないときは、忍耐とユーモアのセンスを持って、聖トマス・モアの教えに従います」と語られた。
*イエズス会士として危機は人間として当然。克服の方法は
さらに、イエズス会士としての活動でいくつかの「危機」を経験したことを思い起され、「これらは(人間として)当たり前のことです。そうでなければ、私は人間ではない」とされたうえで、「危機は2つの方法で克服できます。それは”迷路”を乗り越えて”頂上”から脱出することですが、決して一人で抜け出すのではなく、助けや付き添いを得て抜け出すこと。なぜなら、助けを受けることがとても重要だからです… そのために私は、主に『赦しの恵みをくださいますように、私に忍耐してくださいますように』と願っています」と述べられた。
*イエズス会の四つの使徒的優先事項
教皇はまた、2019年にイエズス会の今後10年間に優先すべきこととして概説された四つの「普遍的な使徒的優先事項」について触れられた。その四つは、霊操と識別、貧しい人々や疎外された人々と共に歩むこと、希望の未来を創る若者への伴走、”私たちの共通の家”-地球ーへの配慮だ。教皇は、これらは切り離すことのできない、四つの統合された原則です。伴走、識別、宣教活動がイエズス会の礎なのです」と強調された。
*聖職者主義と世俗主義
教会の将来に目を向けられた教皇は、「一部の人々は、教会はますます”小さく”なり、聖職者主義と霊的世俗主義の疫病に陥ることのないように、注意する必要があることを。私に思い起こさせてくれます。故アンリ・ド・リュバック枢機卿は『(聖職者主義と霊的世俗主義の疫病は)教会を苦しめる最もひどい悪であり、放蕩な教皇の時代よりもさらにひどい』と語っておられます」と述べた。
インタビューの最後に、教皇は、「ペトロの座を継承する者が誰であろうと、祈ることの重要性に変わりはありません。主は、祈りの中で語られるからです」と強調された。