(2022.6.5 Vatican News Linda Bordoni)
「私は国を統治する方々に対する訴えを改めて行いますー人類を破滅に導いてはなりません。 お願いします! 人類を滅ぼさないでください!」
教皇フランシスコは5日、聖霊降臨の主日の正午の祈りの後、すでに100日を超えたロシアによるウクライナ軍事侵攻を取り上げ、プーチン大統領はじめ世界の政治指導者たちに対して「外交的解決」を改めて、心から訴えられるとともに、世界の善意の人々に対して、「平和実現のために祈り続けるように」と呼びかけられた。
聖霊降臨の主日に当たって、教皇は、この日のミサで読まれた使徒言行録に記されているように「主の復活から50日後に、聖霊が使徒たちの上に降り、彼らは他国の言語で語り出し、それをエルサレムにやって来たあらゆる国、異なる言葉を話す人々が理解した」のに対して、「ところが、今では、ロシアによるウクライナ侵攻から100後に、新たな戦争の悪夢が、人類に再び降りかかっています」と警告。「これは、神がもっておられる夢の否定ですー戦う人々、互いに殺し合う人々を生み出し、互いに親しくなる代わりに、故郷を追われる人を作り出すのです」と強く批判された。
さらに教皇は、連日メディアが伝える戦いの惨状に深い悲しみを示され、「死と破壊の猛威が勢いを増し、対立が再燃し、全ての人にとってますます危険な事態が拡大するのを煽っている」として、政治指導者たちにこうした流れを変えるよう要請。「停戦と問題の完全な解決のための誠意ある話し合い、和平実現への具体的な交渉」のテーブルに速やかに就くように求められた。
最後に教皇は、「苦しむ人々の絶望の叫びが聞き届けられますように、人間の命へ敬意が勝ちを収めますように、都市や村の恐ろしい破壊が止まりますように」と祈られ、 「これからも祈り続け、平和実現の努力をたゆまずに続けていきましょう」と呼びかけられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)