☩「人間の存在の意味は『心』からしか生まれない」ーパリの人工知能(AI)サミットへメッセージ

パリで開催された「人工知能(AI)アクションサミット」 2025年2月11日 パリで開催された「人工知能(AI)アクションサミット」 2025年2月11日   (AFP or licensors)

(2025.2.11  バチカン放送)

 教皇フランシスコが11日、パリで開かれた「人工知能(AI)アクションサミット」の主催国フランスのマクロン大統領にメッセージをおくられた。

 この中で教皇は、2024年6月のイタリア・プーリアでの先進7カ国首脳会議(G7)でAIをテーマにスピーチをされた際、「人工知能プログラムを選択するプロセスにおいて、人間によるコントロール可能な空間を保証し、保護すること」に言及したことを思い起こされた。

 そして、回勅『ディレクシット・ノス』を引用する形で、「アルゴリズムというカテゴリーを『心』というカテゴリーと区別する必要がある」とされたうえで、「アルゴリズムが人間を欺くために使用されることがあっても、最も内面的で真実の感情の座である『心』は決して人間を欺きません」と強調。

 会議のすべての参加者に、「人間の存在の意味は『心』からしか生まれない(パスカル『パンセ』)ことを、忘れないように」と呼びかけられた。

 教皇は、2024年のカトリック教会の「世界平和の日メッセージ」で述べられた「人工知能の規制をめぐる議論では、貧しい人や社会から疎外された人など、グローバルな政策決定プロセスで普段、耳にすることのない人々の声をも含む、すべての関係者の声を考慮に入れる必要があります」という言葉を改めて示された。

 そして、こうした視点から、パリのAIサミットに、「人工知能に関し皆が参加できるプラットフォームの創設や、すべての国が人工知能を、発展促進や、貧困との闘い、地域の文化・言語の保護に役立てることができるような取り組み」がなされるように希望され、このようなことによってのみ、「地球上のすべての人々が、人工知能に利用される、全人類の特徴である真の多様性と豊かさを反映するデータの作成に寄与できるでしょう」と願われた。

(編集「カトリック・あい」)

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2025年2月12日