Pope Francis during the Angelus (VATICAN MEDIA Divisione Foto)
(2023.7.2 Vatican News Linda Bordoni)
教皇フランシスコは2日、年間第13主日の正午の祈りの説教で、「決断を下すときは、祈り、聖霊を呼び求め、相手を理解したいという心からの願いを持って、相手の話す言葉に耳を傾けるのが良い」と語られた。
*私たちは皆、預言者であるはずだが、そうしているだろうか
聖ペトロ広場に集まった信徒たちに向けた説教で、教皇は、この日のミサで読まれたマタイ福音書のイエスの言葉―「預言者を預言者だということで受け入れる人は、正しい者と同じ報いを受ける」(10章41節)を取り上げ、現代の預言者を喜んで受け入れる必要について考察された。
そして、「預言者とは、人々が聖霊の働きのもとで現在を解釈できるようにし、神の諸計画を理解し、対応できるようにする人。イエスを他の人に示し、イエスを証しし、今日を生き、イエスの計画に従って未来を築くことができるようにする人です」と指摘。
その意味で、「私たち兄弟姉妹の一人一人が預言者。洗礼によって、私たち全員が『預言的使命』の賜物を受けたのです… イエスの証人であり、他の人たちに神を指し示す愛のしるしであり、兄弟姉妹の歩む道におけるキリストの光の反映です」と説かれた。
教皇はそのうえで、信徒たちに、「私は、イエスの証人として日々の暮らしを送っているだろうか」「他の人たちの人生に、イエスの光を少しでも、もたらしているだろうか」と自分自身に問い掛けるよう勧められ、さらに「こうしたことについて、私は自分を評価するでしょうか?私は自問します-私が証ししているものは、私の預言は、何なのか?」と自問された。
*互いの話に耳を傾け合おう
続けて教皇は、「今日の日の福音で、主は、預言者たちを喜んで受け入れるように求めておられます」とされ、「重要なのは、それぞれが置かれた状況と与えられた使命に応じて神の言葉を伝える者である私たちが、互いを喜んで受け入れること。 自分が生活している場、家族、小教区、修道会、教会や社会の他の場で。そして聖霊は、神の聖なる民に預言の賜物を配っておられます。ですから、皆の声に耳を傾けるのは良いことなのです」と説かれた。
そして、「重要な決断をする必要があるとき、まず祈り、聖霊を呼び求めるのは良いことですが、そのうえで、相手がどんなに”小さな人”であっても、誰もが語るべき重要なこと、分かち合うべき預言的賜物を持っていることを信じて、相手の話を聴き、言葉を交わすことです」と強調。
説教の最後に、信徒たちに、「自分は相手から喜びをもって受け入れられている」と、人々に感じてもらえるようにすることを勧められ、「それは、相手に私たちが喜ぶようなことを言ってもらうためではなく、相手が『自分は受け入れられており、賜物として大切にされているのだ』と感じてもらえるようにするためです」と念を押され、「互いに理解し合いたいという心からの願いを持って、互いの話に耳を傾けることが、どれほど多くの紛争を回避し、解決できるかを、皆でよく考えましょう」と訴えられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)