Aftermath of Israeli strikes in Deir Al-Balah in the central Gaza Strip (REUTER
(2024.8.7 Vatican News Christopher Wells)
教皇フランシスコは7日の水曜恒例の一般謁見で、中東での紛争の即時停止を当事者たちに強く訴えるとともに、ウクライナ、ミャンマー、スーダンでの速やかな平和の実現を祈り、パキスタンとアフガニスタンでの民族差別を終わらせるためにさらなる努力と祈りを呼びかけられた。
教皇はまず、「平和への真摯な探求が争いを鎮め、愛が憎しみに打ち勝ち、復讐が赦しによって無力化されることを祈ります」と語られた。
そして、紛争拡大が強く懸念される中東情勢を「大きな懸念をもって、引き続き注視しています」と述べ、ガザをはじめとしたあらゆる面での即時停戦を繰り返し訴えるとともに、「ガザの人道状況は非常に深刻で、持続不可能です」と強調された。
*ウクライナ、ミャンマー、スーダンの平和実現のために
また、多くの”殉教者”を出し続けている「ウクライナ、ミャンマー、スーダンの戦争で人心を荒廃させられている人々」のために祈るように、信者たちに求められた。
2014年のロシアによるクリミアの違法併合、それに続くドンバス紛争、そして2022年のウクライナへの全面侵攻以来、ウクライナでは数十万人が殺害または負傷させられ、数百万人の民間人が避難を余儀なくされている。
ミャンマーでは、2021年2月に国軍が民主的に選出された政府をクーデターによって打倒した後、内戦が続いており、少なくとも5万人が死亡し、約230万人が避難を余儀なくされている。
またスーダンでは、2023年4月から軍事勢力間の争いが続いており、少なくとも1万3000人から1万5000人が死亡、33,000人以上が負傷している。国内避難民は約770万人、さらに200万人以上が国外に避難している。
教皇は「戦争で試練を受けているこれらの国の人々が、速やかに平和を得ることができますように」と祈られた。
*パキスタンとアフガニスタンでの民族差別撤廃を訴え
さらに、教皇は、「パキスタンとアフガニスタンの地域での民族差別、特に女性に対する差別がなくなるように」と祈りと共に、現地の政治指導者など関係者たちの努力を求められた。教皇はこの日の一般謁見の前に、イタリアのアフガニスタン人コミュニティを代表する小規模なグループと会見されている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)