
(2024.7.19 バチカン放送)
教皇フランシスコは19日、 パリ五輪開催を前に、同地で行われた「平和のためのミサ」にメッセージをおくられ、その中で「オリンピック停戦」の尊重をアピールされた。
パリを会場とした2024年のオリンピック競技大会の開会を一週間後に控えた19日、パリのマドレーヌ教会で、平和のためのミサが捧げられた。この日は、「オリンピック停戦」の初日となった。
国際オリンピック委員会が、古代ギリシャの「オリンピック停戦」の伝統復活のため、国連に働きかけ、国連総会でオリンピック停戦の順守に関する決議が採択されたのは1993年だ。以来、国連総会では、各オリンピックおよびパラリンピック開催の前年に、大会中の停戦を求める決議が行われてきた。
パリ五輪における「オリンピック停戦」の決議は、昨年11月21日、国連総会で採択された。決議は、開幕7日前から、パラリンピック閉幕の7日後まで、世界中のすべての紛争に対し休戦が求めている。
教皇は、この日マドレーヌ教会で平和のためのミサを駐仏バチカン大使のチェレスティーノ・ミリヨーレ大司教と共同司式したローラン・ウルリッヒ・パリ大司教に宛てにメッセージをおくられ、パリ五輪が「世界中の国々から集うすべての人々にとって、互いを発見し、認め合い、偏見を取り除き、軽べつと不信があるところに尊重を、憎しみがあるところに友情を生み出す、またとない機会となること」を希望された。
そして、「オリンピックは平和の担い手であり、戦争の担い手ではありません…世界平和が深刻に脅かされているこの激動の時代、紛争を解決し、調和を取り戻すことを希求しつつ、すべての人々がこの『オリンピック停戦』を心に留めるように」と願われ、「神が私たちを憐み、統治者たちの重大な責任について、彼らの良心を照らし、平和のために働く人々にその努力の実りと祝福をお与えくださいますように」と祈られた。
(編集「カトリック・あい」)