
(2025.6.28 Vatican News Antonella Palermo and Linda Bordoni)
教皇レオ14世は28日、欧州司教協議会連盟のギンタラス・グルシャス議長、ラディスラフ・ネメット副会長と会談され、キリスト教一致のための対話、シノダル(共働的)な繋がり、そして欧州大陸における福音化を推進することを確認された。
会談終了後、 CCEE議長のグルシャス大司教と副議長のネメット枢機卿が記者会見し、グルシャス会長から、会談の内容について、 「何よりもまず、欧州において、私たちCCEEが行っていることを報告し、キリスト教一致のための対話に対するCCEEの継続的な取り組みが重要なテーマとして話し合われた」と説明した。
*欧州におけるキリスト教の一致への取り組み 具体的には、CCEEが、25年前に署名された 「Charta Oecumenica 」の改訂版に署名する準備を進めており、これは欧州におけるキリスト者の一致のために共に働くための新たな枠組みとなるもの」と述べた。
これに対して教皇は、特にシノドスとの関連において、「取り組みを推進、継続する」よう奨励された。また、グルシャス会長から「文化的・言語的に多様な欧州で”シノドスの道”進めることの難しさ、その中での協力の重要性」について指摘があったのに対し、教皇はこのようなCCEEの認識と取り組みを支持され、継続するよう促された、という。
グルシャス大司教はまた、会見で、中東と欧州で和平の展望の見えない戦いが続いている問題も取り上げられたとし、大司教は、ウクライナで進行中の危機と、「先入観」がもとになったプーチン・ロシア大統領の野望を指摘し、「軍事費よりも平和と貧しい人々を守るために予算を回すべきだ」と言う認識で、教皇と一致した、と説明した。
*軍備増強は解決策ではない
CCEE副会長のネメット枢機卿は、教皇は最近の講話で、「再軍備」という誤ったプロパガンダに警告を発せられたことに触れ、「全面的に支持する素晴らしい言葉です。軍備がなければ生きていけない、再軍備が平和のための唯一の解決策だ、という誤った意見が広まっているが、これは真実ではない。近年の戦争を見ても、語られることのない戦争を見てもそうだ。そして、軍備ための増額が計画される一方で、医療、教育、水、その他必要なものが不足しているために多くの人々が命を落としていることを思うと胸が痛む」と述べた。
南半球の国々が多くを依存していた米国国際開発庁(USAID)の援助が停止された結果、すでに目に見えている被害が出ているとし、 「若者や子供たちが死んでいる。資金不足で、多くの学校が閉鎖されるだろう」と指摘した。
また副会長は、欧州における信仰の現状などについて幅広い考察を行ったうえで、過度に否定的な評価には異議を唱え、「私たちが何度も繰り返すほど、悪い状況ではない」と述べた。一部の地域では教会の行事への参加が減少していることを認めつつも、「欧州諸国の信者の大半は素晴らしい信仰生活を送っている」とし、特に「若い世代における宗教的感情の高まり」を挙げた。
*正教会の活力には学ぶことろがある
副会長はさらに、正教会の活力を賞賛し、「私たちには正教会の信者から学ぶことがあります」とのべ、カトリック教会との相互学習の重要性を強調した。
欧州における福音化の取り組みについて質問されたのに対しては、「大胆かつ包括的な証しが重要。私たちはもっと勇気をもって、イエスについてはっきりと語らなければなりません 。だが、孤立、原理主義、排他主義は避ける必要がある 」と語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)