教皇フランシスコは23日の水曜恒例一般謁見の最後に、ウクライナから届いた(ロシアの軍事侵略による)被害統計の死者数は「酷い」、パレスチナは「非人道的な攻撃」を受けている、と非難し、世界平和への訴えを改めて表明した。
先月、米紙ウォールストリートジャーナルは、死者数がウクライナ人とロシア人合わせて100万人に達したという情報を伝えた。ウクライナ当局は、6月だけで1万2000人以上の民間人が殺害されたと報告している。また昨年10月7日以降、4万3000人以上のパレスチナ人が死亡した、とされている。
教皇は訴えの中で、「戦争は最初から敗北である」こと、そして「許しを与えない」ことを繰り返し述べられ、「平和のために主に祈りましょう。主がすべての人に、私たち全員に平和を与えてくださいますように」と人々に促された。さらに「ミャンマーを忘れないようにしましょう。非人道的な攻撃を受けているパレスチナを忘れないようにしましょう。イスラエルを忘れないようにしましょう。そして戦争中のすべての国を忘れないようにしましょう」と訴えられた。
国連の人道問題担当事務次長代理兼緊急援助調整官は「10月2日以降ガザに食糧が届いていない、食糧供給が不足している」と語っている。
教皇はまた、世界的な武器製造への巨額の財政支出を嘆き、「今日最も利益を生み出しているのは武器産業です… これは私たちを怖がらせるべき統計だ」と強く批判した。最新の入手可能なデータによると、2021年の世界の武器取引額は1000億ユーロ弱に上っている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)