(2022.6.23 バチカン放送)
教皇フランシスコが23日、教皇庁東方教会援助事業会議の総会参加者とお会いになり、「『善きサマリア人』の姿を思い浮かべつつ、紛争に苦しむ各地の教会と人々に希望を与え続けてください」と願われた。
ロシアのウクライナ軍事侵攻を取り上げられた教皇は、「そこではカインとアベルの悲劇が繰り返されています」とされたうえで、「そこで起きている暴力行為は命を破壊するもの。この悪魔的な暴力に対し、キリスト者は、武力が対話に場を譲るよう、祈りの力と具体的な慈愛の業をもって対抗しなくてはなりません」と説かれた。
そして、「剣を鋤に、槍を鎌に打ち直す」という旧約聖書のイザヤ書の一節(2章4節)を引用され、「今の状況はすべて、これとは逆の方向に向かっているように見える。食料はなくなり、武器の騒々しさが増しています」と指摘。
「紛争の森に平和の小道を見出せるように、祈り、断食し、助け、働き続けましょう」と和平実現への努力を求められた。
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東方教会援助事業会議は、バチカンの東方教会省の管轄下の組織で、ローマや世界各地のカトリック東方教会の聖職者や信者を支援している。21日からバチカンで第95回定例総会を開き、特にエルサレム、レバノン、エチオピア、シリア、そしてウクライナの状況についての情報交換と支援のあり方について、現地の教皇大使の報告などをもとに検討された。
(編集「カトリック・あい」)