
(2024.10.27 バチカン放送)
教皇フランシスコは27日、シノドス総会閉会ミサに続き、正午の祈りの集いを持たれ、シノドス総会の終了を告げながら、この1か月に行われたすべてのことが、教会のために役立ち続けるようにと、祈られた。
説教で教皇は、今月22日に聖パウロ6世によって「ユダヤ教との宗教的関係のための委員会」が創設されてから50年を迎えたこと、28日から「第2バチカン公会議文書『Noatra aetate(キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言)』発表60年の記念の年」に入ることに言及され、「これらの記念年を背景に、特に大きな苦しみと緊張に満ちたこの時代にあって、地域レベルで対話と平和のために努力する人々を激励された。
さらに28日に、武力紛争における傷病者や捕虜、文民の保護を目的とした4つの条約からなるジュネーブ条約の締結75周年を記念し、赤十字社と赤新月社の重要な国際会議がジュネーブで開かれることを紹介。
「人道的国際法の遵守のもとに、武力紛争の中でも人の命と尊厳、民間の建物と宗教施設が尊重されるように、この会議が人々の良心を目覚めさせる」よう願われた教皇は、「戦争で、病院や学校が破壊されるのを見るのは悲しいことです」と嘆かれた。
そして、平和のために祈り続けるよう信者たちに促しつつ、「特にウクライナ、パレスチナ、イスラエル、レバノンでこれ以上の状況の激化を食い止め、聖なるものである人命の尊重を第一に据えるように」と世界の指導者、関係者たちに強く訴えられ、さらに、「戦争で日々、あまりに多くの無実の市民、子どもたちが犠牲になっています」とされ、改めて、世界の人々に平和のために祈るよう求められた。
また、教皇は、台風で大きな被害を受けたフィリピンの人々に精神的な寄り添いを示され、1週間前メキシコで殺害されたマルセロ・ペレス神父を悼み、福音と人々へのその熱心な奉仕を思い起こされた。