☩「『人間性の第一の学校』である家庭をAIが浸食するのを許してはならない」-教皇、国際カトリック議員ネットワーク参加者たちに

Pope Leo XIV addresses International Catholic Legislators Network in the VaticanPope Leo XIV addresses International Catholic Legislators Network in the Vatican  (@Vatican Media)

 教皇レオ14世は21日、国際カトリック議員ネットワークの参加者たちと会見され、「人権と人間の尊厳を保護する立法」の推進を強く求めるとともに、「AI(人工知能)が、人間性の最初の学校である家族を侵食することを決して許してはなりません」と訴えられた。

 そして、次のように強調された。

 「健全な立法は、科学的・技術的な創造性を促進しつつ、基本的人権と自由を保障するものでなければなりません。また、利用者を搾取から守り、個人のプライバシーを保護し、新興技術の利用における透明性を確保し、それらが民主主義の制度を強化することを保証するものでなければなりません」。

*AIなどの技術革新をイデオロギー的、経済的な植民地主義の手段にするな

 立法について考察され教皇は、「強固な法的枠組み、独立した監督機関、十分な情報を得た利用者、そして責任を放棄しない政治体制が必要です」とされ、そのような監督は地方、国家、国際といった複数のレベルで機能し、「関連する倫理的枠組みについて率直な議論を促進し、それらを社会正義の共通基準に照らし合わせることで、単一のイデオロギーや利害関係も、人工知能システムに組み込まれた価値観を独断的に決定することのないようにすることが可能になる」と指摘された。

 同時に、{AIの急速な発展には、新たな形の技術的依存を生み出すリスクがあり、貧しい国々がますます豊かな国々に依存するようになる恐れがある… イノベーションがイデオロギー的あるいは経済的な植民地主義の新たな手段とならないよう、警戒を怠ってはなりません」と参加者たちに注意された。

 そして、「悲しいことに、アルゴリズム(AIの作業手順)が、誰を見、誰を見られないままにするかを決定し、デジタルプラットフォームが説明責任を負うことなく公の議論を形作り、労働者の尊厳がシステムの最適化に従属させられるとき、私たちは巧妙な支配の形態に直面している… 奉仕を伴わない支配と隷属という、古くからの誘惑の新たな姿が露呈されているのです」と警告された。

*AIの時代に、家庭こそが人間性の第一の学校だ

 そのうえで教皇は、「このような権力文化に対し、教会は『愛の文明』を提唱します… 現代のような社会において、『人間性の最初の学校』となるのは家庭。家庭の中でこそ、私たちは、計算よりも信頼を、競争よりも寛大さを、分裂よりも対話を、そして権力よりも愛を、最初に学ぶのです」と強調。

 「このことを念頭に置き、AIが、この社会の最も基本的な単位を侵食することを決して許してはなりません。それが、個人や人間関係をデータやシミュレーションに還元することであれ、若者の心に欲望を歪めるコンテンツを氾濫させることであれ、あるいは家庭生活を経済的に不安定にする経済モデルによることであれ、です」と訴えられ、「このため、私は、夫婦の結びつきと家庭を強化し、親の子に対する教育の使命を支援し、若者たちが自信を持って未来を見据えられるようにする政策を推進すること」を議員たちに強く求められた。

  *世界が必要としているのは、人間性を損なうAIではない、愛によって導かれる技術革新だ  教皇は続けて、「皆さん、世界が必要としているのは、人間性を損なうAIではありません。世界が必要としているのは、知恵に照らされた人間の知性、良心に導かれた政治的権威、そして愛によって導かれる技術革新なのです。そうして初めて、AIは人類のライバルではなく、共通の善の奉仕者となるのです」と強調された。  挨拶の最後に教皇は、「あなたがたの会議が、各国の人々、そして人類全体にとって、豊かな実を結びますように」と願われた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2026年8月22日