(2024.7.30 バチカン放送)
教皇フランシスコが7月30日夕、バチカンの聖ペトロ広場で、欧州中からローマに巡礼に来たミサ侍者の若者たちとの集いをなさった。
このローマ巡礼は、国際侍者協会(Coetus Internationalis Ministrantium,CIM)が主催するもので、今回で第13回目を迎えた。イザヤ書の一節から採られた言葉「あなたと共に」(イザヤ書41章10節)をテーマにした今回の巡礼には、ドイツからの約3万5千人をはじめ、オーストリア、ベルギー、クロアチア、フランスなど20か国から約5万人が参加。さらに、約1万2千人のボランティア、 2千人あまりの司牧担当者らが付き添った。
集いでは、演奏や合唱、ルクセンブルグ大司教で国際侍者協会の会長、ジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿の挨拶、司教たちの講話などを交えた前半に続いて、教皇が5人の少年少女たちと一緒に特別車「パパモービル」で会場に到着。聖ペトロ広場を一巡した後、広場から伸びる「コンチリアツィオーネ通り」まで進み、道の左右に鈴なりになった各国・各教区からの巡礼団に祝福をおくられた。
教皇は若い祭壇奉仕者たちへのあいさつで、今回の巡礼のテーマ「あなたと共に」を愛の神秘を秘めた言葉として示された。
「ミサの侍者たちにとって、この『あなたと共に』の主役は神です」とされたうえで、教皇は「『二人または三人が私の名によって集まるところには、私もその中にいる」(マタイ福音書18章20節)というイエスの言葉は、ミサの中で最高に実現されるのです」と指摘。
「そこでは『あなたと共に』は、キリストの御体と御血において神の具体的な現存となり、司祭はこの神秘を毎日自分の手の中で見つめ、また侍者たちも祭壇に奉仕しながらこれを見ることになります」、そして、「さらに聖体拝領で、私たちは霊的・物理的にイエスが『私たちと共に』おられることを体験するのです」と語られた。
さらに、「この『あなたと共に』おられる神の神秘を、マリアのように、自分の心と肉において留めるなら、新たな方法で『他者と共に』いることも可能になるのです」と強調。「イエスのおかげで、私たちは他者に対して『あなたと共に』と言えるようになり、裁いたり、先入観をもったり、閉め出したり、除外することなしに、態度や心や寄り添いを通して、泣く者と共に泣き、喜ぶ者と共に喜ぶことができるようになります」と説かれた。
あいさつの最後に教皇は、侍者たちにローマへの巡礼と、イエスの愛の奉仕者としての務めを感謝しながら、これからもイエスと共によき歩みを続けていくように、と励まされた。
(編集「カトリック・あい」)