(2024.11.6 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
教皇フランシスコは6日、水曜恒例の一般謁見で「聖霊について」の連続講話を続けられた。今回は「聖霊が私たちの祈りに、どのように応じてくれるか」をテーマに話され、「キリスト教徒の祈りは、電話の一方の端に立つ人間が、もう一方の端にいる神に語りかけるものではありません。そうではなく、私たちの内に祈るのは、神なのです!私たちは、神を通して神に祈るのです」と、聖ペトロ広場に集まった信者たちに説かれた。
「聖霊について」の連続講話で教皇は、これまでの「秘跡」から、「キリスト教徒の祈り」に重点を移された。「神の言葉と秘跡に加えて、聖霊の働きは祈りで表現されます」とされた教皇は、聖霊はキリスト教徒の祈りの主題であり対象でもあることを指摘、「聖霊は祈りを与える方であり、祈りによって与えられる方でもあります… 私たちは聖霊を受け取るために祈り、真の祈りを捧げるために聖霊を受け取るのです… そのようにして私たちは奴隷としてではなく、神の子として祈るのです」と語られた。
そのために、教皇は、まず第一に、「聖霊を受け取るために祈らなければなりません」とされ、「この点について、イエスは福音書の中で非常に明確な言葉を残しておられます―『あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして天の父は、求める者に聖霊を与えてくださる』(ルカによる福音書11章13節)。私たちの祈りは、神の霊に対して私たちができる唯一の『力』であり、聖霊こそが、私たちに真の祈りの賜物を与えてくださる方なのです」と強調された。
そして、「確かに、私たちは祈り方を知りません… 確かに、聖霊は私たちの弱さを助けてくれますが、それよりもはるかに重要なことをしてくれます… 聖霊は、私たちが神の子であることを証しし、私たちの唇に『アッバ、父よ!』という叫びを浮かべてくださるのです」と説かれた。
さらに教皇は、「祈りにおいて、聖霊は、『弁護者』、すなわち私たちの弁護者、擁護者としての役割を明らかにされます… 聖霊は、私たちを父なる神の前に告発するのではなく、私たちを守るのです… たとえ私たちの心が、何かについて自分を責めていても、聖霊は、『神は私たちの心よりも偉大だ』ということを私たちに思い起させます」と述べられた。
また「聖霊は、私たちのために執り成してくださるだけでなく、兄弟姉妹のためにどのように執り成しをすればよいかを教えてくれる… 聖霊は、私たちに執り成しの祈りを教えてくれるのです」とされ、さらに、「祈りは、最も無償で利他的なものであるため、特に神に喜ばれます…「誰かが皆のために祈るとき、聖アンブローズが指摘したように、誰もが誰かのために祈るようになり、祈りが倍増するのです」と強調された。。
そして講話の最後に、教皇は、来年の聖年に備えて、「神の計画に従って聖徒のために執り成し、祈る」聖霊と自らを結びつけるように、と信者たちを促された。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)