(2024.10.30 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
教皇フランシスコは10月30日の水曜恒例一般謁見で「聖霊について」の連続講話を続けられ、今回は、堅信の秘跡において若者たちがいかに聖霊と出会う経験をしているかについてお話しになった。
聖ペトロ広場に集まった信者たちに、教皇は「2025年の聖年を目前にして、私たちが聖霊によって新たにされ、力を与えられ、すべての行いにおいて聖霊の賜物を担いましょう……」と呼びかけられた。
そして講話では、堅信の秘跡において受ける聖霊の賜物に焦点を当てられ、まず、「新約聖書では、水による洗礼のほかに、もう一つの儀式、すなわち、「聖霊を目に見える形で、カリスマ的な方法で伝える目的を持つ『按手』という儀式が描かれている」とされ、「この儀式は、聖霊降臨の際に使徒たちによって生み出されたものに類似した効果を持つしぐさです」と語られた。
教皇は、イタリア司教協議会の成人向けカテキズムがこの秘跡について記している 「非常に単純で明確な方法 」を引用する形で 「堅信は、教会全体にとって聖霊降臨がそうであったように、すべての信徒にとってそうである。…それは、洗礼によってキリストと教会に組み込まれ、預言者的、王的、司祭的使命に奉献されることを強めるものです」と述べられ、これを念頭に置いて、「秘跡がいかに聖霊の賜物の豊かさを伝えるか」を強調。
「洗礼が誕生の秘跡であるなら、堅信は成長の秘跡です。そのため、堅信は証しの秘跡でもあり、それはキリスト者としての成熟と密接に結びついているからです」とされたうえで、堅信を 「最後の儀式」、すなわち 「教会からの『出発』の秘跡 」に 矮小化しないよう警告された。
さらに、「教会全体の現状を考えると、それは不可能に思えるかも知れない。しかし、それを追求するのをあきらめるべきだ、という意味ではありません」と明言され、「子供であれ大人であれ、堅信を受けた人すべてが、そうなるわけではありませんが、少なくとも、堅信を受けた後、何人かが、教会共同体を生きいきとさせる役割を果たすことが重要です 」と説かれた。そして、「この目的のために、キリストとの個人的な出会いを経験し、聖霊の真の体験をした信徒たちの助けを、秘跡の準備として進んで受け入れることは有用です」と語られた。
そして、「堅信の秘跡の按手礼によって聖霊の消えない印章を受けることで、私たちが、キリストの真の証人として、信仰を世界に広め、守ることができるようになること」、さらに「堅信によって、洗礼のときに注がれた聖霊の賜物が増し、深まり、私たち、特にこの秘跡を受ける若者たちが、教会の命と使命に積極的に関わるよう促されること」を思い起こされた。
そして、聖パウロが弟子のテモテに「按手によって受けた神の賜物を再び燃え立たせなさい」と促したことを挙げ、「この言葉は、『その炎を再び燃え立たせるために火を吹きかける人』のイメージを示しています」と指摘され、「ここに(2025年の)聖年の素晴らしい目標があります。”習慣と離脱”の灰を取り除き、オリンピックの聖火ランナーのように、聖霊の炎の担い手になることです」と語られ、講話を締めくくられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)