Pope Francis during his weekly General Audience (VATICAN MEDIA Divisione Foto)
(2024.10.9 Vatican News Francesca Merlo)
教皇フランシスコは9日の水曜恒例一般謁見で「聖霊について」の連続講話を再開され、「教会生活における聖霊の大きな役割」、特に、教会の使命をすべての人々に広げるとともに、教会内部の一致を促進する聖霊の役割を強調された。
講話で教皇はまず、新約聖書の使徒言行録2章の初めの箇所を取り上げ、聖霊の2つの主要な動き―「教会の影響力をすべての人々へ拡大する聖霊の力」と「教会自体の内部で一致を強める聖霊の力」に注意を向けられた。
この箇所には、五旬際の日に使徒たちが同じ場所に集まっていると、聖霊が降り、一同は聖霊に満たされて、さまざまな言語で話し、群衆にイエス・キリストを宣べ伝えることができた様子が書かれている。 教皇は「この奇跡的なしるしは、神の力の単なる表れではなく、『教会の使命が普遍的』だという明確なメッセージです」とされ、「聖霊は教会の普遍性と統一性を保証する存在なのです」と説かれた。
さらに、使徒言行録の記述の中から2つの重要な例を挙げ、聖霊がどのように「普遍性を促進する」かを示された。
1つ目はコルネリウスの回心(10章1~48節)で、教皇は「これは、使徒たちが視野を広げ、ユダヤ人と異教徒の間の障壁を打ち破った重要な瞬間でした… 『第二の聖霊降臨』と言ってもいいもので、聖霊の働きが続いており、教会が常に新しい人々を受け入れるよう促していることを示しています」と語られた。
また、使徒パウロが当初「聖霊によって」小アジアで説教することを禁じられ、後にマケドニアへの幻の中で方向転換されたときの宣教旅行についても言及され、「このエピソードは、聖霊が福音を民族的に広げるだけでなく、地理的にも広げるよう、使徒たちを促し、教会が新しい土地で福音を宣べ伝えるよう導くことを示しています」と説明された。
2つ目は、「聖霊の働きが、一致を創り、守ること」。その例として、教皇は「エルサレムの使徒会議」(使徒言行録15章)を挙げた。
この会議では、使徒たちと長老たちが異邦人の改宗者はモーセの律法に従うべきかどうか議論し、「『聖霊と我々にとってそれが良いと思われた』という言葉で発表された解決策は、対話、祈り、識別の結果でした」と教皇は語られ、「聖霊はいつも、奇跡的、決定的な行動で突然、一致を創り出すのではなく、人々の議論の過程や違いを尊重しながら、慎重なやり方で、そしてしばしばシノダル(共働的)な仕方で働かれるのです」と指摘。
続けて教皇は、聖霊を教会の魂と比べた聖アウグスティヌスの言葉を思い起こされ、「魂が人の体であるように、聖霊はキリストの体、つまり教会です。このことは、聖霊が外部から、あるいは命令によって一致を生み出すのではないことを強調するもの。聖霊自身が、教会における一致の絆なのです」と強調された。
講話の最後に教皇は、信者たちに、使徒言行録に書かれた以上の教訓を個人的な生活に生かすように促され、「キリスト教徒の一致は、私たちがいる場所に他の人が来るのを待つことによってではなく、キリストに向かって共に進むことによって築かれるのです。このことは、教会だけでなく、結婚、家族、共同体における日常的な関係にも当てはまります」と語られ、「教会と世界の両方において、『一致と平和の道具』となるために聖霊の助けを願って祈るように」と求められた。
平和のための祈り
さらに教皇は講話に続けて、一般謁見に集まった信者たちに「10月はロザリオの月」であることを思い起させ、毎日ロザリオの祈りをするよう勧められ、苦しんでいるすべての人々、特に、終わりの見えない戦争に「苦しめられているウクライナ、スーダン、ミャンマー、パレスチナ、イスラエルの人々」を聖母マリアに託すように、と求められた。