◎教皇連続講話「聖霊について」⑤「神と共にあれば、不可能なことは何一つない」

Pope Francis smiles at pilgrims at the weekly General AudiencePope Francis smiles at pilgrims at the weekly General Audience  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

(2024.8.7 Vatican News   Christopher Wells)

    教皇フランシスコは7日、夏季休暇を終えられ、水曜恒例の一般謁見を再開された。

 そして、「聖霊について」の連続講話も再開され、「聖霊による御言葉の受肉」をテーマに、イエスが「聖霊によって聖母マリアから受肉し、人間となった」という私たちの信条の確認から始められた。

 教皇は、「これはキリスト教会全てに一致する信条です。すべてのキリスト教徒が同じ信条を共に公言しているからであり、それは、日々のお告げの祈りという伝統的なカトリックの信心業に反映されています」説かれた。

 そして、「これは、聖母マリアと教会を比べ合わせる根拠にもなります。第二バチカン公会議でも取り上げられましたが、聖母マリアが処女懐胎し、キリストをお生みになったように、教会も『信仰をもって神の言葉を受け入れ、自ら母となる』ことでキリストを迎え入れます」とされ、「まず神の言葉を受け入れなければ、教会の『活動と説教』は不毛になってしまいます」と指摘された。

 続けて教皇は、受胎告知を受けたマリアの「どうして、そのようなことが可能なのですか」という問いかけについて考察された。「教会も、同じ問いかけをしています。『この世の幸福だけを求めているように見える世界に、イエス・キリストとその救いを宣べ伝えることがどうして可能なのですか』と」。

 そして、その答えとして、使徒言行録にある「あなたがたの上に聖霊が下ると、あなたがたは力を受ける」(1章8節)というイエスの使徒たちへの言葉は、「当時も今も変わらない。聖霊から力を受けなければ、教会は前に進むことができず、成長できず、説教もできません」と強調。

 さらに、「教会について言われていることは、洗礼を受けたすべての人にも当てはまります」とされ、私たちが自分の力を超えた状況に陥ったとき、天使がマリアに語った「聖霊が降り、いと高き方の力があなたを覆う… 神にできないことは何一つない」(ルカ福音書1章35~37節)という言葉を思い起し、この励ましの言葉に力を得て、旅を再開するように」と説かれ、この天使の言葉を信じるなら、「私たちは奇跡を起こすでしょう。神にとっておできにならないことは、何一つありません」と締めくくられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年8月7日