(2022.1.19 Vatican News staff writer)
教皇フランシスコは19日、水曜恒例の一般謁見で「聖ヨセフについて」の講話をお続けになり、神の優しさを反映した「愛情深い父親」としてのヨセフの役割は、「私たちのすべての弱さを気にかけられ、受け容れられ、主の愛によって変えられたことを、私たちに感じさせることにある」と語られた。
講話の中で教皇は、まず、聖ヨセフが父親としての役割をどのように果たしたのかを、福音書は詳しくは述べていない、とされたうえで、「ヨセフがイエスに与えた教育と愛情深いいたわりの形で実践した”正義の人”であることは確信できます」と語られた。
*父なる神
そして、イエスがいつも、「父」という言葉を使って神と神の愛について語られたことを、福音書がどのように証言しているか思い起こされ、「例えば、放蕩息子のたとえ話は、罪と赦しの経験を示すにとどまらず、”慈悲深い父”が罰ではなく、愛情深い抱擁を通して息子を赦すさまをを語っています」と指摘。
「優しさは、この世の論法よりもすぐれています。それは正義を行うための予期されないやり方です。神は、私たちの罪、過ち、堕落を恐れておられない。それよりも、私たちが心を閉ざし、ご自分の愛を信じないことを恐れておられるのです」と強調された。
*神の愛の優しさ
さらに教皇は、一昨年12月8日から昨年12月8日までを「聖ヨセフの特別年」と定められたご自身の使徒的勧告「Patris corde,(父の心をもって)」を引用される形で、「神の愛の経験の中には大きな優しさがあります」と述べ、「この現実をイエスに伝えた最初の人がヨセフ自身だった、と考えるのは素晴らしい。この優しさについて私たち自身の経験を振り返り、私たちがその証人になることで、神が私たちにヨセフの父性にご自身を映し出し、その優しい愛によって私たち自身が変えられるように」と勧められた。
そして、「優しさは、感情的な、あるいは感傷的な問題ではありません。貧しさと悲惨さの中にある私たちが、神にしっかりと愛され、受け容れられ、歓迎され、その愛によって変えられた、と感じる経験です」と語られた。