(2022.8.17 Vatican News Devin Watkins)
教皇フランシスコは17日、水曜恒例の一般謁見で「老年の意味と価値について」をテーマとする講話を続けられ、若者たちに、「世代間のギャップを克服して年配者という『信頼できる証人』を受け入れるように」と勧められた。
講話で、教皇は旧約聖書のダニエル記の箇所(7章9‐10節)を取り上げ、ここにある「日の老いたる者」についてのダニエルの預言的な夢に注目され、「老年期と若年期のつながりを浮き彫りにしています」と語られた。
そして、「このダニエルの夢に登場する人は、生き生きとして、強く、気高く、美しく、魅力に満ちています。 にもかかわらず、雪のように白い髭をしている、とされています。これは、非常に長い時、太古の昔、永遠の存在のいにしえの象徴するものです」と指摘。
*白髭の神の美しさ
続けて「雪のように白い髭で起きているすべてを見守る神の姿は、つまらない象徴ではありません。 これは聖書のイメージ。 高貴さ、優しさのイメージです」とされ、「神は永遠の存在であり、古くもあり、新しくもあるのです。同じように、人類も老いも若きも交わり、経験と熱意を共有できるようにすることが重要であることを再発見する必要があります」と強調。「『人生における目的地の神秘』を受け入れることで、年配者は、子供たちに彼らが『神の賜物である』ことを証しせねばなりません」と述べられた。
*年配者は高齢者は人生の往来を祝福する
また教皇は「年配者には、子供たちが信頼できるような仕方で証しする独特の方法があります。年配者が、やって来る命を祝福するとき、去っていくとき命を悲しむことを脇に置くのは抑えがたいもの。年配者の証しは、過去、現在、未来という時間の次元と同じように、人生のそれぞれの時の世代を結びつけます」とされる一方、「同じ資源をめぐって競争させるかのように、世代を分け、年配者と若者を戦わせるのは、苦痛であり、有害でさえあります」と警告された。
*”死の叡智”を受け継げるように
講話の終わりに、教皇は、「年配者たちと子供たちの”同盟”は人類家族を救う。年配者たちが死の入り口が近づいているときも、『死の知恵』を受け継げるように、子供たちが年配者たちと交流できるようにしてください」と親たちに促され、 「死は確かに、人生にとって困難な通過点ですが、不確実な時間を終わらせ、時計を捨て去るものでもある。『締め切りのない人生』の素晴らしさは、まさにその時から始まるのです」と語られた。