(2021.3.17 Vatican News Christopher Wells)
教皇フランシスコは17日の水曜恒例の一般謁見を、コロナ対策としてバチカンの図書室からの動画中継の形でなされ、「祈りについて」の連続講話では、聖三位一体で特に聖霊の役割に重点を置いて考察された。
まず教皇は、「すべてのキリスト教徒への第一の贈り物は、聖霊です」とされ、「聖霊は、私たちの心をキリストに開き、私たちが神を『Abbà』すなわり「お父さん」と呼びかけることを可能にするのです」。
*イエスをいただく
そして、「カトリック教会のカテキズム」を引用する形で、「私たちをイエスに祈るようにさせるのは、聖霊。聖霊の『先行的恩寵(注:救いに先立って与えられる救いの恵み)』によってです」。これは同時に、同じように「聖霊に祈らねばならないことを、教会が私たちに思い起こさせ、毎日、特にすべての重要な行動の初めと終わりに、聖霊に祈るように促します」と説かれた。
さらに、教皇は、「聖霊の働きは、私たちにイエスを思い起こさせ、いつでもどこでもキリスト教徒の生活の中にイエスが臨在されるようにすることです。聖霊のおかげで、イエスは『遠くに』ではなく、いつも私たちと一緒におられます… 聖霊は今も、心を変革させることで弟子たちを教育しておられます」と語られた。
*炎を生き続けさせる
そして、これは、「慈悲、奉仕、祈りで、聖霊によってキリストの『尺度』をもって形作られた多くの祈る人々が、経験することであり、修道士と隠修士だけでなく、神との対話の長い歴史を紡いできた一般人が経験すること」とし、「神を探し求める人々は、福音の中に、聖体の中に、そして助けを求めている人々の顔の中に、『秘められた炎』のように臨在される神を、お守りするのです」と述べられ、「このような神の臨在の炎を生き続けさせることは、『キリスト教徒の第一の仕事』であり、カトリック教会の幕屋にご聖体が臨在する前に昼夜を問わず燃える光のランプによって象徴される仕事です」と強調された。
*キリスト教の祈りの達人
最後に教皇は、「カトリック教会のカテキズム」を再度引用され、「聖霊は、キリスト教の祈りの『内なる達人』… 祈りの『生ける伝統職人』です。祈りを捧げる人それぞれの独特で様々な『沢山の祈り方』を鼓舞するのが聖霊です… 終わることの聖なる地で、唯一の神、愛の三位一体は、さまざまな証しを花開かされますーすべては尊厳さにおいて等しいが、神の慈しみがご自分の子どもにされる一人ひとりの中に表されること、聖霊が望まれる素晴らしさにおいても、他に類を見ないのです」と述べられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)