(2023.11.8 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
8日水曜日の一般謁見で、教皇フランシスコは「使徒的熱意について」の連続講話を続けられた。
今回は、その模範として、パリ郊外の貧しい人々の間で30年以上暮らし、祈り、働いた20世紀のフランスの社会活動家、作家、神秘家の「神の僕・マドレーヌ・デルブレル」を取り上げ、その生涯を使徒的熱意を体現するものとして讃え、信仰の喜びを他の人々と分かち合った彼女に倣うよう、信者たちを促された。
神の僕マドレーヌ・デルブレルは1904年にフランスのミュシダンという町で生まれ、労働者階級出身である父ジュールと、有産階級(ブルジョワ)出身の母リュシルの元で育ったが、無神論者だった両親の影響で信仰から離れ、17歳で自分も無神論者となった。その後、ソルボンヌ大学で学び、一人のキリスト教徒との出会いで回心し、信仰の道に入った。
教皇は、「マドレーヌは友人たちの証しを通してキリストに出会い、回心後は教会と世界の中心で神に完全に捧げる人生を歩むことを選びました」と回想され、「彼女は神を求めて出発し、心の中に感じていた深い渇きを声にしました。 そうすることで、神が自分を求めている、と理解するようになったのです」と振り返られた。
そして、「怠惰を克服し、キリストに従う 信仰の喜びが、彼女に、教会と世界において神に与えられた人生の選択を成熟させ、ひたすら、『人々の生活』を姉妹として分かち合うように導きました」と語られ、彼女が神に対して、「たとえ怠惰から今の状態のままでいたい思う時も、人生の旅であなたと共に歩むために、先に進まねばなりません」と語りかけた時、どのように「詩的に」イエスに呼びかけたかを、回想された。
「 マドレーヌは、貧しい人々の窮状と、人生の意味を見つけようと苦悩する姿に深く感動しました。 彼女の使徒的熱意の模範は、『福音の喜びを他の人々と分かち合う』という、洗礼を受けた私たち自身の使命を思い起こさせてくれます」と説かれ、彼女の生き方は、「『神の愛』と『すべての兄弟姉妹への愛』という二つの戒めを忠実に守る中で成長するように、と私たちを鼓舞するのです」と付け加えられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)