(2025.3.19 Vatican News Christopher Wells)
入院・治療中の教皇フランシスコが19日、水曜恒例の一般謁見のため準備された聖年の連続講話「イエス・キリスト、私たちの希望」の第9回を発表された。 今回の講話で、教皇は、イエスの様々な人物との出会いの中で、ニコデモと初めて出会われた時に語った言葉-「あなたがたは、新たに生まれなければならない」(ヨハネ福音書3章7節)をテーマに取り上げられた。そして、「人には、人生について啓発し、希望をもたらす出会いがあります」とされ、ニコデモを、イエスとの出会いによって「闇から抜け出し、彼に従う勇気を見出すことができる、ということを示す人」の例として語られた。
*ニコデモは、イエスが心の闇に光を当ててくれる、と会いに行ったが…
ヨハネ福音書では、ファリサイ派でユダヤ人の指導者だったニコデモが、過ぎ越し際にエルサレムにおられたイエスとある夜、初めて出会い、イエスが十字架上で亡くなった時に、アリマタヤ出身のヨセフと共に遺体を受け取り、墓に納めた(ヨハネ福音書19章38₋42節参照)。
教皇は、「『夜』はニコデモの心にある疑いの闇を象徴しているのでしょう… もしあなたが闇の中にいるなら、当然、光を求める。 ニコデモも、イエスが心の闇に光を当ててくれると感じたので、イエスに会いに行ったのです」とされ、だが、ニコデモは、イエスが語られる言葉を理解できない。「それは、彼が自分の論理と思考範囲で考え続けていたから… 考え方を変える必要があると感じていたが、何から始めればよいのか分からなかったのです」と指摘された。
*光を得、希望を見出すために、自身を変える力が必要
そして、教皇は、このようなことは、「私たちの人生の中で起こること。人生(における出会いで光、希望を見出すカギ)は、愛の新しい方法を見つけるために自身を変える力にある。イエスがニコデモと初めてお会いになった時に語られた『新たに生まれなければならない』はそのことを指しているのです」と強調。
さらに、「聖霊が私たちの中に新しい生命を生み出すことを受け入れるなら、私たちは再び生まれ変わります。私たちは、おそらく自分の中で薄れつつあった生命を再び発見することでしょう」とされ、「ニコデモは、このような変化が可能だということを私たちに示している。私たちは変化を恐れることがありますが、聖霊は私たちに、そのような怖れと向き合うよう促しています」と語られた。
最後に教皇は、「私たちは、ニコデモと同じように、十字架にかけられた方、死を打ち負かした方、自身が抱く恐怖の根源を見つめることができます。十字架にかけられた方を見つめ、イエスに会いましょう。イエスの中に、私たちの人生の変化に立ち向かい、生まれ変わる希望を見出しましょう」と信者たちを励まされた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)