Sr.阿部のバンコク通信 (73) 命をいっぱいに生きる年にしたい!

 人生は新しい出会いの連続です。住み慣れた場から踏み出すのが生来苦手な私が、人生半ばでフィリピンに移り、タイに来て28 年、自分で驚いています。根は変わりませんが… もういくつ寝ると80歳…になっても新鮮な発見や喜びを人々、出来事、状況の中に身を投じ、体験しています。

 一歩踏み出し視座を変えて見るーたとえ動くことができなくても-自分から飛び出して、空の雲や風、草花や鳥、時計やスマホになって見つめて見る…そこから見る自分、面白い味な発見があるかもしれません。

 新しい年、心のアンテナを研ぎすませ、視野の効く場に身を置きお互いに新鮮な輝いた人生体験をしたいですね。

   『奇跡の木マロンガイ』という植物のことをご存じですか?亜熱帯地方で育ち、可愛らしい葉っぱが繁る爽やかな雰囲気の大木。初めての出会いは、一緒に生活しているフィリピンの姉妹が、その葉を枝ごと庭から取ってきて、炊事に使ったのです。肉と野菜の煮込みにマロンガイの葉っぱがいっぱい!馴染めない舌触りでしたが、すごい滋養があるのだと話してくれ、葉を摘み取るのを手伝い、味わって、いつもいただいています。

 調べて見ましたら、英語でモリンガと言い、限りなく豊かな栄養素、抗菌作用、免疫力、美容…効用は長々と続きます、モリンガはお薬箱みたい、びっくりしました。姉妹に教えてもらって、葉っぱを乾燥させ、粉末にしてカプセルに詰め、モリンガで体力づくり、コロナ禍の発見の一つです。

 今でも胸に残るもう一つの若い頃の発見を紹介しましょう。鍼治療に通っていた頃、老先生の話に耳を澄ませて聞いた話です。

 「針をツボに刺すと、身体はモルヒネよろしく劇薬を出し、それで治癒する」ーそうだ、人間の心身には絶体絶命、極まった状況に追い詰められて、初めて発揮する創造主からいただいた秘めた力がある。だから自分自身にも隣人にも、特に子供達に過保護は禁物…。
人間に秘められた威力を発揮する機会に挑戦して、更に新鮮に輝いて、命をいっぱいに生きる年にしたいですね。合掌❣️

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2022年12月30日