Sr.阿部の「乃木坂の修道院から」㉖修道会会員の高齢化、減少、AIの台頭、でも危機の中に福音宣教のチャンスがある

 「刈り入れは多いが働く人は少ない。だから、刈り入れのために働く人を送ってかださるように、刈り入れの主に祈り求めなさい」(マタイ福音書9章37-38節)。

 この福音のイエスの勧めに励まされ、祈り続けて久しい。司祭、修道者の道を志す人々の増減の波を見ると、戦後の勢いは凄く、信仰に導かれ受洗後献身を志し、修道会や神学院に入る人が多い。第二回バチカン公会議後、信徒の使徒職が開かれ、活発になると「福音のため独身を生きる」イエスに従う人が少なくなります。

 この道を選ばなくても、宣教に献身できるようになったからです。公会議後、すべての修道者に再選択(退会)の機会が与えられましたが、私も、続いて入会した妹も、メディアを駆使して宣教をする聖パウロ女子修道会会員として生きる決意をし、奉献しました。

 現在は100人を切る女子パウロ会の日本人会員。平均年齢も高 く、書院、修道院も惜しまれながら閉じ、オンラインや通信販売、日東販やAmazonなどの取次ぎ流通業者を介しての福音宣教が、主流になっています。

 福音宣教の使命は教会の生命線、ぶれずに存続する2000年の歴史が語っています。イエスが弟子に声をかけ始められた教会、今日も「遣わされ」「宣べ伝える者」により「善い知らせ」(ローマの信徒への手紙10章14-15節)を世に宣べ伝え続けています。

 1549年、1人の宣教師、聖フランシスコ・ザビエルにより日本にもたらされた福音は、250年間の禁教令を生き延び、477年を経た今日も、福音の種が撒き続けられています。イエス自身「恐れることはない、小さい群れよ」(ルカ福音書12章32節)と呼びかけられましたが、約42万人のカトリック信徒の教会共同体、確かに小さな群れですが、外国籍の信徒も増え、「カトリック(普遍)」の名に相応しく、日本の津々浦々に生き生きと存続しています。

 長い間、留守にしていた日本に帰って来て、頻繁に聞く嘆きのセレナーデ、会員の高齢化と減少、活動の縮小。少子化、デジタル化、人工知能(AI )時代の到来で福音宣教に尻込みする現実もあります。

 寄せ来る生成AIの威力、データを基にした効率・正確・最適な答えがモノを言うようになって、今年の世界広報の日のメッセージ、レオ14世教皇の『人間の声と顔』を取り戻す呼び掛けには、魂が、ずしんと揺さぶられました。

 『顔と声は神聖なもの』『神から与えられた』人間の『固有で二つとないアイデンティティ』。『創造的なプロセスを放棄し、自らの精神的機能と想像力を機械に委ねることは…人格として成長するために与えられたタレントを埋もれさせ…顔を隠し、声を封じることを意味するのです』(第60回「世界広報の日」教皇メッセージ 人間の声と顔を守る)。

 ずばり、私たち「コミュニケーションの使徒の使命」の今日の課題です。コミュニケーション・メディアの聖化と福音宣教のために、たとえささやかな存在でも、捧げ、誓った者の祈りを聞いて下さる方を信じています。

 

 女子パウロ会のローマ総本部には、毎年終生誓願の準備(第二修練)のため全世界から該当シスターが集まります。今年は15人が修練を終え終生誓願。コンゴ、ベトナム、ケニア、パキスタン、ドイツ、中国、米国、マレーシア、ナイジェリア、べネズエラの10カ国から。本当に嬉しい感動すべき出来事です。

 AI時代の危機の中に、福音宣教のチャンスを見つけながら、人間社会の交わりに命と愛が通うよう祈り、感謝と福音の喜びのセレナーデを奏でながら励みましょう。嘆く事はありません。聖霊のナビが教会を確実に導いています。

(阿部羊子=あべ・ようこ=聖パウロ女子修道会会員)

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2026年7月6日