・Sr.阿部のバンコク通信(74) 「え!サツマイモじゃないの?… 実は”ブアヒマ”」

   色も形もサツマイモそっくりの、英語でYacone (ヤーコン)とも呼ばれる根菜。ある日、姉妹が「美味しいのよ」と、掘り出してきたばかりの土の付いたサツマイモらしきものをもらって来ました。

 ゴシゴシ洗って皮を剥いて輪切りにして「生で食べられるのよ。はい、どうぞ」と。シャキシャキ瑞々しい、うっすらと甘い梨の感触。皮を剥いて一個食べてしまいました。おいしかった!生まれて初めての体験がまた一つ、この齢になって、感動です。

 「名前は何て言うの」と聞いたら「บัวหิมะ (ブアヒマ= 蓮雪=snow lotus)」。台湾では「雪蓮果」と呼ばれ、果物として親しまれて、名前まで素敵!

 調べてみたら何ともうれしい発見。この野生根菜の原産地は南米ペルー説、チベット説がありますが、どちらにしても寒冷地に育つ菊科の多年生草木。「地下のリンゴ」とも呼ばれ、古くから現地人の大切な食料です。

 甘みがあっても糖分は少なく、免疫力を向上させ、多分に含まれるオリゴ糖は腸内で大活躍。関節や筋肉、軟骨を守る野生の薬でもあり、化粧品としても使われています。日本でも栽培する農家があり、直送されてお料理にも使われていますね。サプリメントまで出回っていてびっくりです。

 また一つ、創造主の大地の贈り物、サツマイモに“扮した”ブアヒマをいただき、小さな醍醐味に、目も心もピカッと輝きました。

 今日もお向かいの教会のミサに与り、恵みを感謝して外に出て夕暮れの空を見上げると、爽やかな月、星々がきらめき、実に美しい。天地の創造主への、有難い清々しい感謝と感動で心がいっぱいになります。

 愛読者の皆さん、ちまたの身近な、細やかな発見や体験を通して、心身をときめかせ、感謝と喜びの人生を一緒に生きましょう。

 聖パウロのフィリピの信徒への手紙を贈ります。

 「ゆがんだ邪悪な時代にあって… この世で星のように輝き、命の言葉をしっかり保つ」(2章15‐16節)ように!

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員=聖書の引用は「聖書協会・共同訳」による)

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2023年2月1日