・Sr.阿部のバンコク通信(66) 残虐な攻撃が続くウクライナ…それでも、復活ローソクの輝きにキリストの愛を信じる

   復活ローソクが暗闇に放つ輝き、今年はいつになく感動して仰ぎ見ました。

 バンコク郊外の聖ミカエル教会の前庭、辺りはすっかり暗い。赤々と燃える焚き火囲んで、復活徹夜祭の光の祭儀が始まりました。キリストの光、灯された復活ローソクを掲げる司祭を先頭に、続々と人々が聖堂に進み入る様子…募る思いを抱く胸にじんと来る光景、ひたすら平和を願いながら入堂。

 なかなか収束の目途が立たないコロナ感染、ロシアによるウクライナ軍事侵攻がもたらした恐ろしい戦況、世界中を巻き込む恐ろしさに、合掌する手も胸も締め付けられるほどです。国を守るために武器援助を求めるウクライナ、これに応じる一方でロシアへの経済制裁を強める欧米の国々。攻撃の姿勢をさらに強めるロシア… 火が付いた兄弟喧嘩が止まる気配もなく、心が強く痛みます。様々な事情があるのでしょうが、どうして人が人に対してこれほど残酷なことが出来るのか、本当に悲しいです。

 とにかく、一日も早くこの残虐な戦いが終わって欲しい… 平和を祈る日々。苦しむ人々との連帯で、自分の小さな十字架が担い易くさえ感じられます。人間の業(ごう)が刻まれた歴史から多くの事を学ぶ機会にもなっています。

 聖木曜日の早朝、聖香油と司祭制定のミサがアサンプション・カテドラルでありました。バンコク教区(11県)76 小教区(信徒数12万2554/人口1381万4885) の司祭、信徒代表が参列した荘厳な典礼、叙階と聖体の秘跡の制定、2時間余の荘厳なミサ、格別な思いであずかりました。師イエスに感謝、乾杯。この仏教国で、凄いな〜といつも思います。

 ミサの最後に、復活祭のローソクが枢機卿から小教区信徒代表に手渡されます。修道会聖堂も含め100本余、祭壇の麓に見事に並ぶ復活ローソク、何と、バンコク教区では毎年スポンサーにより用意されるのです。

 復活のローソクを自分の心に点じ、罪と悪に勝利し、復活したキリストの愛を信じ共に宣言して生きましょう!

 『光は闇の中で輝いている。闇は光に勝たなかった』(ヨハネによる福音書1章5節)

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

(聖書の引用は「聖書協会・共同訳」を使用=「カトリック・あい」)

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2022年5月1日