・Sr.阿部のバンコク通信  (70)タイ語訳の日本の漫画が召命に結び付く!

    漫画が大好きなタイの子供たち。カバンの中にはタイ訳の日本漫画本が何冊も… 夢中で読んでいるのには本当に驚きました。

   漫画本との出会いは、タイでの宣教活動に閃きを与えてくれました。女子パウロ発行のタイ語訳コミック版「ベンハー」を1997年6月に出版したのは、奇跡とも言える出来事でしたが、次いで女子パウロの「クォヴァディス」3巻と「白い鳩のように」、サンパウロの「遙かなる風を超えて」3巻と「たとえ話きかせて」、講談社の「漫画聖書物語」5巻と「聖書の中の人々」8巻,「My Super Hero」…と続きます。

 単行本やCD やDVDも出版しました。これらが電波の届かない地域に届けられ、現地の人たちに感動を与えていることに驚き、人間を育てる書物の威力を見直しました。

 ボロボロの「ベンハー」初版本が、神学生を同伴してボランティアに入った山奥のカレン族の村で見つけた時は、「こんな所にまで!」と胸が熱くなりました。

 タイの人々の好む味付けで福音を調理した”ご馳走”を、メディアに乗せて宣教するのが、私たちの使命です。版権使用許可の交渉をしながら、テクニックを学び、コンピュータでの編集作業もゼロから始め、汗と涙と祈りの挑戦… 「主よ、素敵な装丁や制作をお助けください」と十字を切りながら、表紙のデザインに取り組んだことを、懐かしく思い出します。

 タイの若者を女子パウロ会への入会に導いたのは、実にこれらの日本の漫画本でした。漫画をきっかけにした召命です!

 2005年白い鳩のように」で私たちの会を知った山岳民の村に住むアティタヤーが最初の入会者。母親から離れたことのない1人っ子のパリチャートが「ベンハー」を読んで、二人目の入会者となり、二人はその後14年の養成を受けて、2019年に終生誓願に至りました。「遙かなる風を越えて」や「クォヴァディス」を読んで入会を決意したのは、現在の有期誓願中のシスターピンです。

 愛読者の皆さん、コロナ禍で大活躍している通信ツールを使って、美味しい魅力的な福音の”ご馳走”を隣人に届けませんか。今、その時です!

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

 

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2022年9月5日