漫画が大好きなタイの子供たち。カバンの中にはタイ訳の日本漫画本が何 冊も… 夢中で読んでいるのには本当に驚きました。
漫画本との出会いは、 タイでの宣教活動に閃きを与えてくれました。女子パウロ発行のタイ語訳コミック版「ベンハー」を1997年6月に出版したのは、奇跡とも言える出来事でしたが、次いで女子パウロの「クォヴァディス」3巻と「白い鳩のように」 、サンパウロの「遙かなる風を超えて」3巻と「たとえ話きかせて 」、講談社の「漫画聖書物語」5巻と「聖書の中の人々」8巻,「 My Super Hero」…と続きます。
単行本やCD やDVDも出版しました。これらが電波の届かない地域に届けられ、現地の人たちに感動を与えていることに驚き、人間を育てる書物の威力を見直しました。
ボロボロの「ベンハー」初版本が、神学生を同伴してボランティアに入 った山奥のカレン族の村で見つけた時は、「こんな所にまで!」と 胸が熱くなりました。
タイの人々の好む味付けで福音を調理した”ご馳走”を、メディアに乗せて宣教するのが、私たちの使命です。版権使用許可の交渉をしながら、テクニックを学び、コンピュータでの編集作業もゼロから始め、汗と涙 と祈りの挑戦… 「主よ、素敵な装丁や制作をお助けください」と十字を切りながら、表紙のデザインに取り組んだことを、懐かしく思い出します。
タイの若者を女子パウロ会への入会に導いたのは、実にこれ らの日本の漫画本でした。漫画をきっかけにした召命です!
2005年に 「 白い鳩のように」で私たちの会を知った山岳民の村に住むアティタヤーが最初の入会者。母親から離れたことのない1 人っ子のパリチャートが「ベンハー」を読んで、二人目の入会者となり、二人はその後14年の養成を受けて、2019年に終生誓願に至りました。「 遙かなる風を越えて」や「クォヴァディス」を読んで入会を決 意したのは、現在の有期誓願中のシスターピンです。
愛読者の皆さん、コロナ禍で大活躍している通信ツールを使って 、美味しい魅力的な福音の”ご馳走”を隣人に届けませんか。今、その 時です!
(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)
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