・Sr.阿部のバンコク通信 ㊼タイ東北部で57歳の新司教の叙階式に8000人!

    タイのイサーン(東北)地方、タレー・ノンセン教区のタレーにある聖ミカエル大聖堂で、クリエンサック枢機卿司式による司教叙階式がありました。

 当地出身の57歳、6代目教区長のヴィラデット司教の誕生です。雨天の中を13人の司教、270人の司祭、そして信徒たち合わせて総勢8000人が参列しての感謝のミサ、叙階式は、歓迎の喜びに満ちていました。聖堂と回廊は満席。入りきれない信徒のために屋外のテントでも実況中継… 見事な準備、何ともいい雰囲気でした。

 タレーは、全人口7500人がカトリック信徒の町。1884年に若きパリ外国宣教会の2人の宣教師(プロドム神父32歳、ゲゴ神父26歳)がカトリックの教えをもたらしたことに始まります。

 2人は1881年、バンコクを出発し、宣教(馬車や馬で)の旅へ。ウボン、ナコンパノム、サコナコンを経て、沼を渡り、3年後の諸聖人の祝日にタレーに到着。そこは正に信徒の新天地でした。

 1885年には、ベトナムとラオスの信徒を連れて、これまた若きパリミッションの宣教師コンボリエ神父がタレーに到着。その後、前任宣教師はウボンに戻り宣教に続投、コンボリエ神父は52年の間、タレーを中心に宣教司牧に奮闘。若き献身者を養成し、1924年にはLover of Cross 修道会を創立。修道会は100余名の会員を得て教育司牧の奉仕を続け、現在に至っています。イサーン地方の人々に親しまれ、苦楽を共にする修道会、タイ宣教の私のお手本です。

 1950年に東北4県をカバーするタレー・ノンセン教区ができ、この度、6代目の司教が誕生。「当然の務めを果す、取るに足らない僕」を標語に就任の挨拶、翌日はLover of Cross修道院でミサを捧げ、年配のシスターに囲まれ喜びの会食。この街に誕生した9人兄弟の7番目のデット君(神学校に入り叙階そして司教)を囲む、街の誇り期待に満ちたお祝いでした。

 実は、以前にタレーの修道院にお世話になった時、クリニックで働く女医のシスターの運転で、当時神学校の院長だったヴィラデット司教様とドライブ、会食、そして思いっきり卓球を楽しんだ思い出があるのです。いつかまたお相手を… 無理なお願いでしょうか。司教様の司牧のお勤めに乾杯合掌。

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2020年8月30日