・Sr 阿部のバンコク通信 ⑳新札が流通開始―表は新国王だが、裏は故プーミポン前国王

  先日銀行で両替、受け取ったお札は新国王ワチラロンコーン(ラマ10世)陛下の新札でした。慣れ親しんだお顔が入れ替わり、遂にお札も、と思いました。

 タイの紙幣バーツには、20、50、100、500、1000、とあり、コインは25、50サタン(100サタン=1バーツ)1、2、5、10バーツ。1円が0.29バーツです。 コインはまだ見かけないですが、新札は、20バーツから500バーツまではそれぞれ表は新国王、裏は歴代ラマ国王陛下が1世から8世まで2人づつ印刷されています。

 最高額の1000バーツ札ではどうかと、表は当然、新国王。裏を返すと…プーミポン国王(ラマ9世)陛下の肖像! 国民の気持ちを大事にした名案、これには感嘆してしまいました。パウロ書院で、早速新札でお釣りを。皆が「あっ」と反応、裏を見てほっとした、という感じでした。

   国民に敬愛されたプーミポン国王を見送って後、街中は正装した新国王のお写真に取り替えられています。静かに音も立てずに、徐々に、惜しまれながら…。人々は黙々と、事態を受け止めて平常心で生活しているようです。国民が国王を見守り、タイ国を安泰に収める責務を果たせるよう、無言の示唆を与え続けることでしょう。 

 時に、怒涛のように流転する人の営みに揉まれながら、天地の創造主を仰ぎ、『Laudato sì 』と賛美しながら今日の営みを捧げています。 (阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2018年4月27日 | カテゴリー :